1991 Fiscal Year Annual Research Report
カルマンフィルタ-を用いた地熱干渉試験の解析手法の開発研究
Project/Area Number |
02650456
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
糸井 龍一 九州大学, 工学部, 助手 (50108768)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神野 健二 九州大学, 工学部, 教授 (80038025)
福田 道博 九州大学, 工学部, 教授 (40038584)
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Keywords | 圧力干渉試験 / カルマンフィルタ- / 解析手法 |
Research Abstract |
カルマンフィルタ-を用いた多坑井多流量圧力干渉試験デ-タの解析において、試験領域内に水理境界(圧力一定あるいは不透水層)が存在するケ-スを取り扱える手法を開発した。今年度の研究成果を要約すると以下のようである。 (1)水理境界が存在する領域の圧力干渉を、ラインソ-ス解をもとに重ね合わせの原理を適用して表現する解析モデルを導出した。次に、このモデルに拡張カルマンフィルタ-を適用し、未知パラメ-タであるトランスミッシビティ(T)とストラティビティ(S)を逐次推定する解析プログラムをパ-ソナルコンピュ-タ上で開発した。なお解析にあたっては境界の位置・走向およびその種類を入力デ-タとして設定するようにしている。 (2)本解析方法を用いて現地の圧力干渉試験デ-タを解析し、境界が存在しないと仮定した解析結果との比較を行い本手法の有用性を確認した。その結果、TとSの最終推定値を用いて算定された圧力値を比較すると境界の存在を考慮した方が実測値の再現性が良くなることがわかった。 (3)水理境界の位置ならびに境界の走向を未知パラメ-タとし、TとSを含めて同時に推定する解析モデルを開発し、モデル計算値を観測デ-タと見なした解析を行った。その結果、観測井が一本では、特に境界に関する未知パラメ-タについて一意的な解が得られないことがわかった。この点を改良するためには観測井を復数設置し、これらの観測デ-タを同時に解析する必要がある。この点については今後研究をさらに進めていく予定である。
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