1990 Fiscal Year Annual Research Report
低速陽電子ビ-ムによる金属ー半導体界面の格子欠陥の研究
Project/Area Number |
02650461
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
金沢 育三 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (00134768)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩下 彪 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (00016081)
村上 英興 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (30011000)
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Keywords | 低速陽電子 / 輝度強化 / モデレ-タ / 磁場型ビ-ム / 静電場型ビ-ム / アインツェル・レンズ / ズ-ム・レンズ / チャンネルプレ-ト |
Research Abstract |
低速陽電子強度の評価は輝度強化部の前の段階で2種の測定手段でおこなった。混入電子を除去した状態でまずファラデ-・カップをビ-ム・ライン内に導入し、モデレ-タの電位などを変化させることによる電流値の変化から低速陽電子強度を3×10^7カウント/secと評価した。またビ-ム・ライン内にビ-ム・ストッパ-を導入し、ストッパ-上の消滅ガンマ線の強度をイオン・チェンバ-により測定した.この方法により低速陽電子ビ-ム強度を2×10^7カウント/secと評価した。精度の高い輝度強化を行うためにはその前段で磁場を取り除いた静電場型ビ-ムに変換する必要がある。ここでは低速陽電子を磁場内で平行グリットにより数Kevまで加速した後磁場を除くと同時にアインツウェル・レンズとズ-ム・レンズにより陽電子ビ-ムを収束させる手法をとった。幅広い応用のため低速陽電子ビ-ムの輝度強化をはかる必要がある。磁場型ビ-ムから静電場型ビ-ムへの変換における1段アインツェル・レンズ及び2段ズ-ム・レンズを使用し、そのまま初段のタングステン・モデレ-タに面の垂直方向に対し30度の角度で入射した.適切な入射エネルギ-はこの位置での陽電子ビ-ムの収束と再放出量とのかねあいで決定される.タングステン・モデレ-タ-は(100)面に切り出された形状1mm×5mm×5mmの板であらかじめ他の真空チェ-ンバ-で電子銃により焼鈍したものをできるだけ早く輝度強化チェンバ-内に配置した。この第1段において半値幅3mm程度に陽電子ビ-ムをしぼることが可能となった。同様の第2段モデレ-タにより半値幅0.5mmの低速陽電子ビ-ムを得ることができた。次に陽電子ビ-ムの試料部への導入のため、2段タイプの静電レンズを製作した。試料部にチャンネルプレ-トをセットし、ビ-ムの調整を行った。
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[Publications] 岡田 漱平・金沢 育三: "高強度低速ポジトロンビ-ム発生・利用技術" 応用物理. 59. 917-927 (1990)
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[Publications] Y.Ito,M.Hirose,S.Takamura O.Sueoka,I.Kanazawa,K.Mashiki,A.Ichimiya,Y.Murata,S.Okada.M,Hasegawa,T.Hyodo: "Brightness enhanced intense slow positron beam produced using an electron LINAC." Nuclear Instruments and Methods in physics Research. (1991)