1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02650472
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 讓 東北大学, 工学部, 助教授 (80108464)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 守 東北大学, 工学部, 助手 (30213599)
朱 鴻民 東北大学, 工学部, 助手 (40216148)
山村 力 東北大学, 工学部, 助教授 (80005363)
江島 辰彦 東北大学, 工学部, 教授 (80005206)
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Keywords | 希土類金属 / 希土類金属塩化物 / 溶融塩 / アルカリ金属塩化物 / 物理化学的性質 / 密度 / モル体積 / 錯イオン |
Research Abstract |
本研究の目的は、現代の高度技術を支える新材料である希土類金属を製造するための電解浴として用いられる塩化物系溶融塩の物理化学的性質を明らかにし、希土類金属のより効率的な製造に資する事である。 平成2年度においては、希土類金属塩化物として代表的な塩であるLaCl_3を、またアルカリ金属塩化物としてはLiCl,KCl,CsClを選び、これらの2成分系混合溶融塩についてマノメ-タ法によって密度の測定を行なった。この方法は申請者らによって開発されたものであり、少量の試料しか必要とせず、外部雰囲気と遮断した状態で迅速に正確な測定が可能であって、希土類金属塩化物を含む溶融塩系に対して最も適当なものである。 密度は、いずれの2成分系においてもLaCl_3の増加に伴って増加し、LaCl_3のモル分率が等しければアルカリ金属塩化物としてLiCl,NaCl,KCl,CsClを含む混合塩の順で大きくなる。密度の測定結果に基づいてモル体積を求め、さらに成分の部分モル体積を算出して、その挙動を検討した。その結果、LaCl_3ーLiCl2成分系においてはモル体積は加成則をほぼ満足するが、他の3種の2成分系においてはモル体積は加成則より正に偏倚し、その偏倚量はアルカリ金属のイオン半径が大きくなるほど増大する傾向を示す事が明らかとなった。 この様な混合溶融塩の体積挙動およびLa^<3+>が高い電荷を有する事より、混合により新たな錯イオン種が生成すると考えた。この新たな錯イオン種としては、モル体積の加成則よりの偏倚量が最大値を示す化学組成およびイオンの配位に関する考察よりLaCl_4^ーおよびLaCl_6^<3ー>の2種類であると考えた。 以上の様に、希土類金属電解浴に関して物理化学的にも、また実用上も基本的かつ重要である密度を測定して、新たに正確な密度値を求め、またその体積挙動の検討より構成イオン種についての新たな知見を得た。
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Research Products
(1 results)