1990 Fiscal Year Annual Research Report
水酸化物による活性化処理法を利用した無電解めっき法の開発に関する研究
Project/Area Number |
02650489
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Research Institution | Toyama National College of Technology |
Principal Investigator |
岩井 正雄 富山工業高等専門学校, 金属工学科, 助教授 (80042828)
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Keywords | 無電解めっき / プラスチック / 活性化処理 / 水酸化物凝集コロイド / ジ-タ電位 |
Research Abstract |
プラスチック等の無電解めっきでは、被めっき体表面にめっき核を作る、いわゆる活性化処理が必要である。本研究は、この活性化処理に水酸化物凝集コロイド溶液を用いる方法について実験的に検討することが目的である。以下平成2年度において得られた結果について報告する。 1.水酸化ニッケル、水酸化銅の種々のpH溶液中におけるジ-タ電位を測定した結果、水酸化ニッケルの等電点は8.6で、また水酸化銅の等電点は7.6であった。一方、ABS樹脂は電気泳動測定の結果、pH7.8の水溶液中では負に帯電していることが確かめられた。この結果はpH7.8の水溶液中では、水酸化ニッケルは正に帯電しており、負に帯電しているABS樹脂に電気的に吸着可能であり、一方水酸化銅の等電点は7.6であるから、pH7.8の水溶液中では負に帯電していることになり、電気的な吸着は不可能である。この結果は、活性化溶液として水酸化ニッケルを用いた場合、銅、ニッケルめっきが可能であり、水酸化銅を用いた場合めっきが不可能である実験結果と一致する。 2.水酸化銅ー水酸化ニッケルの混合溶液で活性化処理し、還元した場合、ABS樹脂上には銅、ニッケルの両方の金属の析出がみられた。この析出金属を原子吸光分析により定量した結果、40℃、10ー20分で飽和吸着量に達することが明らかになった。 3.これまで水酸化物コロイド溶液の調製にはNaOH溶液を用いたが、これを炭酸ナトリウムを用いて調製し、活性化処理を施すと、極めて光沢性の良い、緻密な銅めっき膜が得られることが光沢度測定、電顕観察により見いだされた。これは水酸化物の沈降実験から、炭酸ナトリウムを用いた場合、比較的分散性の良い、微細な水酸化物粒子が生成することに起因していると考えられるが、詳細については、今後さらに検討する必要がある。
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Research Products
(1 results)