1991 Fiscal Year Annual Research Report
水酸化物による活性化処理法を利用した無電解めっき法の開発に関する研究
Project/Area Number |
02650489
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Research Institution | Toyama National College of Technology |
Principal Investigator |
岩井 正雄 富山工業高等専門学校, 金属工学科, 助教授 (80042828)
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Keywords | 無電解めっき / プラスチック / 活性化処理 / 水酸化物凝集コロイド / ジ-タ電位 |
Research Abstract |
プラスチック等の非導電体における無電解めっきでは、被めっき体表面にめっき核を作るプロセス、いわゆる活性化処理が必要である。本研究は、この活性処理法として水酸化物凝集コロイドを用いる方法を実験的に検討することが目的である。以下平成3年度において得られた結果について報告する。 1.種々のアルカル溶液を用いてCu(OH)_2ーNi(OH)_2混合コロイドを調製し、ABS樹脂を活性化処理した後、無電解銅めっきをおこなった結果、NaOH,KOH溶液で調製した場合、めっき状態に大きな差異は認められないが、Na_2CO_3溶液でコロイド溶液を調製した場合、表面の光沢、及び均一さにおいてやや優れていることが、光沢度測定、電子顕微鏡観察から確かめられた。 2.Cu(OH)_2ーNi(OH)_2混合コロイドで活性化処理したABS樹脂上の無電解銅めっき膜の密着強度試験を行った結果、PdCl_2ーSnCl_2活性化溶液を用いる従来法と比較して遜色のない密着強度が得られた。 3.コロイド溶液の分散状態に関する知見を得るために、NaOH,及びNa_2CO_3溶液で調製したコロイド溶液の沈降特性を検討した結果、NaOH溶液よりもNa_2CO_3溶液で調製した場合の方が沈降速度は遅く、また最終沈降容積も大であった。したがって、Na_2CO_3溶液で調製した混合コロイドの方がより微細な粒子から構成されていると考えられた。 4.混合コロイドによる活性化処理法で生成しためっき核金属の銅めっき反応における触媒効果を評価するために、Cu電極及びNi電極上におけるホルマリンのアノ-ド分極曲線を測定した結果、Niはホルマリンの酸化反応に対して触媒活性が極めて小さいが、CuはPt,Pdと類似した大きい触媒活性を有する。
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