1990 Fiscal Year Annual Research Report
一軸配向短繊維強化金属基複合材料の製法に関する研究
Project/Area Number |
02650501
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Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
新美 格 豊田工業大学, 工学部, 教授 (70148344)
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Keywords | 短繊維強化複合材料 / 繊維強化金属基複合材料 / 繊維強化複合材料の繊維配向 / 繊維強化複合材料の容積率向上 |
Research Abstract |
短繊維強化金属基複合材料は、連続繊維強化複合材料に比べ製品形状の自由度が高いという利点があるが、その製法において連続繊維のそれとは異なった留意点が存在する。まず繊維の配向角が、複合体の強度に著しい影響を及ぼすため、極力低くすることである。このため一般には加圧溶鍛、熱間押出し、熱間圧延などのプロセスを採用している。しかしこれらの方法は、一般に繊維が脆いためいずれの方法でも成形負荷時に繊維の破砕を生じ、繊維強化の要素であるアスペクト比を低下させることにより思わざる強度低下を生起する。また更に、短繊維の集積状態は、一般に三次元の無方向の団塊状であり、今一つの強化要素である繊維容積率は低い。そこで考えられたのは、短繊維を機械的負荷によらない何らかの外力で繊維の配向を高めることであった。この点に着目し、繊維の強磁性を利用して磁場の変動により繊維の配向性を高める方法について研究している。まず手初めとして、析出硬化型ステンレス鋼(17ー7PH)繊維強化の場合の配向を研究し、マグネシウム合金を基材とする複合材料について、そのプロセスの検討を行い、配向角3°以内、容積率35%、引張強さ600MPaを得ている。この基本的プロセスを利用し、本研究は交、直両電流により発生せしめた磁場内に配置した容器、もしくは鋳型に強磁性体化したセラミックス繊維を落下させることにより、配向性の高い繊維成型体を得る方法についておおよその見通しを得た。すなはち、直径17μm長さ3mmのアルミナ繊維の場合、縦型円筒形鋳型では、配向角は17ー7PH材とほぼ同じで、さらに容積率は40%を起える結果を得た。しかし位置により径の異なる形状では容積率が円筒形より低くなる結果を得ている。
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