1991 Fiscal Year Annual Research Report
一軸配向短繊維強化金属基複合材料の製法に関する研究
Project/Area Number |
02650501
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Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
新美 格 豊田工業大学, 工学部・機械システム工学科, 教授 (70148344)
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Keywords | 金属基複合材料 / 繊維強化 / セラミックス繊維 |
Research Abstract |
平成2年度の実験から、3年度は18μm直径の紡糸型アルミナ繊維の無電解Niメッキ法について検討し、ほぼ満足する結果を得た。そこで、2年度新設の大型直流有芯コイル、印加電圧240V、電流5A、最高磁束密度0.1Tに交流コイルを組み合わせ、繊維の充填を行った。ステンレス鋼繊維より軽く、繊維径の小さいアルミナ繊維では、充填率にややむらが生ずるものの、繊維の容積率は50%となった。一方、鋳型材料ヲワックス模型石膏鋳型として、マグネシウムを吸引鋳造したが、石膏とマグネシウムとの反応が激しく簡単ではないことが推測された。次に、18ー8ステンレス鋼鋳型に鋳造したものも、無電解Niメッキ法に問題あり鋳造後のガス発生により破壊することのあることが分かった。これを防ぐため、電解液の組成を変えることを検討しているが未だ満足するものが得られない。そこでイオンプレ-テイング処理を検討したがこれも充分な結果が得られない。そこで、15μm径の炭素繊維に0.5μm厚のNiイオンプレ-テイングをほどこしたものについて、特に軽い点を考慮し交流周波数を変えて充填実験を繰り返した。その結果アルミナ繊維に比べて繊維容積率は35〜40%でやや低く、又充填率に位置的むらがでた。 これまでの結果をまとめると、アルミナ繊維はドライプレ-テイングに工夫を要する配向性、充填率良好、炭素繊維はドライプレ-テイングには適するが、比重が小さく軽い為、配向性、充填率が小さく、装置について更に一層の工夫を要することが分かった。最終年度に当たり、目標の製品作成に対し多くの問題を抱えてはいるが、いずれの実験も今少しの検討で解決するとの見通しが有するので製品の製品装置の組み立てを進めながら研究をまとめる所存である。なお、この研究は、特許出願に対する配慮も有り、研究が一通り見通しが立つまで発表を差し控えたい。
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