1992 Fiscal Year Annual Research Report
一軸配向短繊維強化金属基複合材料の製法に関する研究
Project/Area Number |
02650501
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Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
新美 格 豊田工業大学, 工業部・機械システム工学科, 教授 (70148344)
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Keywords | 複合材料 / 金属基複合材料 / アルミナ短繊維 / マグネシウム合金 / 一軸配向 / 無電解ニッケルめっき / ワックスパターン石膏鋳造 / 短繊維強化 |
Research Abstract |
ワックスパターン石膏鋳造は一時中止し、気相めっきについて検討を進めたが、当初のイオンプレーティングは装置の不具合で結局ニッケルカーボニルのCVD法を適用することにしたが、アルミナへの適用は極めて困難で、炭素には有効であることから、直径15μmの炭素繊維により実験を進めたが、被覆層がやや薄く繊維の一軸配向性が好ましくないので中止し、再び無電解ニッケルめっきの検討を行ったところ、使用しためっき液はいわゆるカニゼンめっき液で還元剤にリン塩を使用しているのでこのリンが作用しているのではないか、に思いをいたし、替わりにボロン塩を使用するめっき液に変えたところ以後はかかる現象は皆無となった。しかし、残念ながらこの無電解ニッケルーボロンめっき法を行っている所は、近郊には無いので、6工程の設備をし、当大学で行う事にしたが、めっき能力が極めて低いため、当初計画の試験片鋳造は量の上で極めて限られることとなった。 当初の充填むらは、鋳型への繊維の供給装置の改善に加えて、新規購入のインバータにより、交流磁場の周波数を50Hzにすることによりほぼ満足する結果を得た。 以上の経過から、ニッケル被覆のアルミナ繊維強化ニッケル合金基複合材料の外径13mmの試料についてその繊維の一軸配向性は配向角55゚,また容積率は平均42%という高度の配向度、容積率の結果を得た。強度については試験片用の試料が少なく、充分なデータがえられなかったが、4点曲げ強さで、一般鋳造品の270MPaに対し、600MPaの値を得た。なお、目標の鋳造製品として、エンジンのコネクチングロッドを選んだが、残念ながら繊維の量が少なく鋳込むことはできなかった。しかしステンレス鋼繊維成形体の場合は成功したので、アルミナ繊維の量がまとまれば鋳込み可能と判断される。
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