1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02650515
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
杉山 幸三 名古屋大学, 工学部, 教授 (50023023)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑原 勝美 名古屋大学, 工学部, 助手 (40023262)
鈴木 豊 名古屋大学, 工学部, 助手 (60023214)
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Keywords | 高温耐食膜 / 炭化チタンCVD / 窒化チタンCVD / 炭化ケイ素CVD / パルスCVD |
Research Abstract |
高温のハロゲン系化合物に耐える金属基材料の開発のため、(1)鋼/Co/TiC/SiC/SiO_2、(2)TiCの代わりにTiNを挿入、基質を鋼の代わりにIncoloyとし、(3)Incoloy800/Si/SiC/SiO_2などの多層膜をパルスCVDによって蒸着し、それらの耐食性を検討した。(1)の実験では昨年度に続きTiC層およびSiC層のパルスCVD条件、それぞれの膜の厚みと耐食試験結果との関係などについての検討を行った。TiCの蒸着には920〜1000℃が適当であり、膜の厚みは3〜5μmに止めることでTiC/SiC界面の剥離を最小にすることができることがわかった。SiC蒸着では、860〜900℃まで温度を下げることにより、下のCo層からの原子拡散を抑制することができ、また、CH_3 SiCl_3濃度は3%以下では核発生密度が低く、良好な膜とならないことがわかった。(2)の実験ではまず20μmのCo層を軟鋼板にめっきし、その上へのTiNのパルスCVD条件を検討した結果、温度900〜950℃、TiCl_4濃度1〜2%、膜の厚み2μmの条件で蒸着した膜は、上部のSiC層との接合が良好であることがわかった。SiC層の最適蒸着条件は温度900℃、CH_3 SiCl_3濃度6%、保持時間1秒とされた。SiC層の表面酸化は900℃、純酸素流中、1時間の処理で行った。Cl_230%,O_230%,Ar40%の雰囲気ト、900℃で耐食試験を行ったところ、SiC層の厚みが5μmのように薄いとき、細かい亀裂がSiC層に発生して、耐食性が得られないが、10μmの厚みでは60分の試験後も目立った腐食が見られなかった。(3)の実験ではIncoloy800に670℃、SiH_4濃度1%,圧力60Torrで2時間ケイ素蒸着ののち、Ar流中900℃、1時間アニ-ルをして相互拡散により凹凸の激しいケイ素合金としたのち、温度900℃、CH_3 SiCl_3濃度6%、保持時間1秒の条件で3000パルスのパルスCVDによりSiCをつけるのが最適であることが確認された。
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[Publications] 杉山 幸三,栗栖 泰: "Pulse CVI of TiN into a fine capillary sealed at an end" Journal of Materials Science. 27. (1992)
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[Publications] 伊藤 好二,杉山 幸三,他: "Pulse CVI of SiC to 3DーC/C preforms" Journal of Materials Science. 27. (1992)