1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02650517
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
小坂井 孝生 名古屋工業大学, 共同研究センター, 助教授 (80110253)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土井 稔 名古屋工業大学, 工学部・材料工学科, 助教授 (60135308)
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Keywords | 2相分離 / 状態図計算 / 実験状態図 / 鉄基規則合金 / FeーAlーCo合金 / FeーSiーGe合金 / 透過電子顕微鏡観察 / 磁気特性 |
Research Abstract |
今年度は規則BCC鉄基合金のうち,FeーAlーCoおよびFeーSiーGe3元系について研究を行なった。 FeーAlーCo合金では種々の組成の合金を923Kで長時間焼鈍し,形成された微細組織を透過電子顕微鏡により観察するとともに,DTA熱分析を行い,両者の結果から実験状態図を決定した。また,BーWーG近似に基づき種々の温度の状態図を計算により求めた。更に磁気特性の測定も行った。得られた結果は以下の通りである。 1.FeーCoーAl合金系の923Kでは不規則相A2相と規則相B2相との2相分離がFeコ-ナ-からCoAl金属間化合物に向かってかなり広い組成範囲にわたって生じる。 2.A2+B2相領域は高温になるにつれて狭くなり,特にFeーCo側ではB2/(A2+B2)相境界はほとんど変わらない。 3.BーWーGモデルによる計算状態図は2相領域が実験結果に比べ若干小さいものの実際の領域にほぼ一致した。また,磁気変態に基づく磁気相互作用は2相分離領域に拡張に寄与していることが計算からわかった。 4.保磁力および磁束密度は2相分離領域内の合金の内,Co,Alの多い数種の合金で2相分離による上昇が認められた。これはCo,Alの多いB2規則母相中に強磁性のFeの多いA2不規則相が均一に分散するためであると考えられる。 FeーSiーGe合金では,2相分離過程が透過電子顕微鏡により詳細に観察され, 5.B2+DO_3およびA2+DO_32相共存平衡状態への相分解過程は合金組成に依存してそれぞれ2つ,及び3つのグル-プに分類できることがわかった。また,この結果はBーWーGモデルに基づく自由エネルギ-計算から各相のヒエラルキ-に基づいて解釈できた。
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[Publications] 趙 丕植: "FeーSiーGe3元規則合金におけるA2+DO_3およびB2+DO_32相相分解過程" 日本金属学会誌. 54. 1056-1064 (1990)
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[Publications] 小坂井 孝生: "Phase Stabilities of Feーbase Ordered Structures in FeーAlーCo Alloy" Proceedings of JIMISー6 on Intermetallic Compounds. (1991)