1990 Fiscal Year Annual Research Report
εマルテンサイト変態を利用した鉄系形状記憶合金のトレ-ニング効果の機構
Project/Area Number |
02650518
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
津崎 兼彰 京都大学, 工学部, 助教授 (40179990)
|
Keywords | マルテンサイト変態 / 形状記憶効果 / 形状記憶合金 / 応力誘起マルテンサイト変態 / FeーMn合金 / FeーMnーSi合金 / 繰り返し変態 / 逆変態 |
Research Abstract |
当初研究計画に対応させて,平成2年度に得られた研究結果を以下に示す. [1.繰り返し変態による正変態点・逆変態点および組織の変化] 試料としてFeー24MnおよびFeー24Mnー6Siを溶製した.これらの試料を1273Kでγ化後,室温とAf点以上の573Kとで加熱冷却を繰り返し,正変態点・逆変態点および室温でのε量の変化を熱膨張計により観察した.その結果,Feー24Mnの場合,繰り返し変態によりMs点が低下し8回の繰り返しによって室温でγ単相となるが,Feー24Mnー6Siの場合は,繰り返し変態によりMs点はほとんど変化せず室温でのε量は増加することが明らかとなった.さらに光顕による同一視野観察の結果,Feー24Mnではmicrostructure memory(εが前回の生成位置と同じ位置に生成すること)は認められないが,Feー24Mnー6Siではmicrostructure memoryがあることを見いだした.また,繰り返し変態により母相γの強度が上昇することを明らかにした. [2.応力誘起εマルテンサイトの逆変態挙動] Feー24Mnー6Si合金を用いて平行部長さ50mmの円柱状引張試験片を作製し,γ化後,室温にて2%の引張変形を施し応力誘起εマルテンサイトを生成させた.この試験片より熱膨張計用試片を切り出し,等速加熱して熱膨張変化よりε→γ逆変態挙動を観察した.その結果,変形を施さない試片と比べて,応力誘起εマルテンサイトを含む試上の逆変態は,より低温から開始するが完了はむしろ遅いことを明らかにした.
|
Research Products
(1 results)