1991 Fiscal Year Annual Research Report
多相超伝導材料におけるクラスタ-構造のパ-コレ-ション過程に関する研究
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02650519
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| Research Institution | Kyoto University |
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Principal Investigator |
吉田 起國 京都大学, 原子エネルギー研究所, 助教授 (70027142)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 靜政 京都大学, 原子エネルギー研究所, 教務職員 (00093196)
富井 洋一 京都大学, 工学部, 講師 (90026245)
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| Keywords | 高温超伝導 / Bi系酸化物超伝導 / パ-コレ-ション / 多相材料 / Ag添加 / クラスタ- / 反磁性帯磁率 / 磁気抵抗効果 |
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| Research Abstract |
本研究は複数の化合物相が構成する超伝導材料について個々の相の挙動と全体としての不均質構造が超伝導特性をどのように特徴づけるかの問題を明かにすることを目的として、最近その臨界温度T。の高さから多くの注目を浴びているBiー(Pb)ーSrーCuーO酸化物(Bi系酸化物)を対象とし、その超伝導特性を多角的に調べた。前年度ではこの酸化物にAg_2Oを添加すると結晶粒界に物理化学的変化が生じ、超伝導特性が著しく低下することを明かにした。即ち、臨界電流が添加濃度増大につれ低下すること、比低抗の零抵抗への遷移領域が広がり、裾引き現象が顕著になるなどである。今年度は、添加濃度のみならず、試料作製(マッフル炉を使用)の過程での熱処理(徐冷、空冷、急冷)の超伝導特性に及ぼす効果を調べるため、比抗抵の温度依存性、磁気抵抗効果、反磁性帯磁率などの測定を行い、次の結果を得た。(1)熱処理の中でも急冷が超伝導特性を最も劣化させ、これはAg_2Oが添加それると一層強調される。(2)しかし、Ag_2Oが添加されていても徐冷するとかなり超伝導特性が良くなる。(3)磁気抵抗は提磁場側では熱処理によってその磁場依存性曲線の形が変化し、超伝導特性の悪いものほどヒステリシスが現れる。(4)反磁性は超伝導特性のよいものほど結晶粒間の反磁性電流による寄与が大きくなり、全体としての反磁性帯磁率が強められる。(5)Ag金属相のクラスタ-は体積分率0.27でパ-コレ-ション転移を生じ、臨界現象に特有の指数則を示すが、臨界指数は3次元から予想されるものとは異なる。(6)ジョセフソン超伝導ネットワ-クのモデル用いて、結晶粒界の量子トンネル接合について議論を行い、零低抗遷移温度領域の超伝導特性の推算を行った。
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[Publications] Katsukuni YOSHIDA: "Dielectric Character Due to the Percolative Growth of Clusters in a MetalーCeramics" Japanese Journal of Applied Physics. 30. 3482-3483 (1991)
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[Publications] 吉田 起國: "Ag2O添加BiーPbーSrーCaーCuーO形酸化物の超伝導特性(1)" 京都大学原子エネルギ-研究所彙報. 80. 40-40 (1991)
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[Publications] 吉田 起國: "Ag2O添加BiーPbーSrーCaーCuーO形酸化物の超伝導特性(2)" 京都大学原子エネルギ-研究所彙報. 80. 41-41 (1991)
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[Publications] 吉田 起國: "Ag2O添加BiーPbーSrーCaーCuーO形酸化物の超伝導特性(3)" 京都大学原子エネルギ-研究所彙報. 81. 52-52 (1992)
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[Publications] 吉田 起國: "Ag2O添加BiーPbーSrーCaーCuーO形酸化物の超伝導特性(4)" 京都大学原子エネルギ-研究所彙報. 81. 53-53 (1992)
