1990 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロエレクトロニクス用微細配線におけるPbマイグレ-ションの研究
Project/Area Number |
02650531
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
竹本 正 大阪大学, 溶接工学研究所, 助教授 (60093431)
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Keywords | はんだ合金 / マイグレ-ション / 湿度 / 電圧 / 腐食 / SnーPb合金 / 電子機器回路 / フラックス |
Research Abstract |
電子機器の高密度実装に伴い問題となってきた,はんだ付部に湿分環境下で電界がかかったときに生ずるPbマイグレ-ションを研究した結果は次のように要約される. (I)Pbマイグレ-ションの観察と試験条件の確立 はんだ合金をセラミック基板上に一定距離(すき間)離して設置し,水滴を滴下して電圧を印加し,マイグレ-ション発生を観察した.水滴滴下条件,電圧印加条件とマイグレ-ション発生挙動の関係を検討し,ばらつきの少ない最適試験条件の確立を目指した.印加電圧が数十ボルトを超えると水の電気分解が起こりマイグレ-ション発生状況の顕微鏡観察が困難となることがわかった.使用水滴の電気抵抗,実験室の温度管理を十分に行う必要があることがわかった.当然印加電圧が高いほどマイグレ-ション寿命は短かった. (II)Pbマイグレ-ションに影響を及ぼす因子の検討 滴下する水の種類について検討したところ水道水よりも蒸留水または脱イオン水を使用したほうがマイグレ-ション寿命のばらつきが少ないようであった.鋳造はんだよりもはんだ付した後のはんだの方がマイグレ-ション寿命が短く,残留フラックス成分あるいははんだへ銅の固溶が影響しているものと考えられた.ぬれ性を劣化させるような,はんだ中の不純物元素については明確な対応が取れなかったので,ほとんどの元素は影響がないといえよう. (III)Pbマイグレ-ションの自動計測化 マイクロコンピュ-タを使用してマイグレ-ション過程の自動計測化を試みている.マイグレ-ションによる短絡電流の検出方法と自動計測可能性を検討中である.
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