1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02650538
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
深沢 力 山梨大学, 工学部, 教授 (70023017)
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Keywords | 接触分析 / 自動分析 / ヨウ化物イオン定量 |
Research Abstract |
昭和63年度科学研究費研究成果を基に、自動接触分析の実用化を目指して接触分析装置を開発した。また、本分析装置をクロルプロマジンー過酸化水素反応を用いる極微量ヨウ化物イオンの定量に応用した。 1.接触分析装置の作製:反応溶液と試料溶液の各注入部(6方バルブ)と自作した混合兼吸光度測定用セルをテフロン細管(内径1mm)で直列に連結しポンプにより空気キャリアを送る流れ分析方式の自動接触分析装置を作製した。半自動分析装置(昭和63年度科学研究費研究成果参照)では、溶液をマイクロシリンジで手操作により注入したが、注入部を自動化するために、装置上部に置いた各溶液溜から試薬溶液を分析装置内に落下させる注入方式を開発した。この新しい注入部を使い注入溶液の採取量を繰り返し測定した。その相対標準偏差は0.2%で、マイクロシリンジによる注入と同程度の良い精度が得られることが分かった。 2.溶液の混合状態:本接触分析装置で水とメチルオレンジ着色溶液を混合し、溶液の混合状態を調べた。各150μl前後の溶液を3つの注入部に入れた場合、繰り返し測定した吸光度は0.5%の誤差内で一致し混合後、約15秒で一定の吸光度を示し、1分台で進む反応に十分使えることが分かった。 3.クロルプロマジンー過酸化水素反応を用いるヨウ化物イオンの接触定量:購入した分光光度計の自動演算機能を使って空気キャリアの送気開始してから2分と3分(反応開始1分と2分後)の範囲で零次反応速度定数を求めた。その結果、ピペットと試験管を使う手操作によるバッチ方式(反応液量10ml)に比べて本分析装置による絶対感度(反応速度定数/ngl)は10倍程度良くなる見込みが得られ、本研究の目的である高感度な自動接触分析が十分可能性であることが分かった。
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Research Products
(1 results)