1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02650538
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Research Institution | Yamanashi University |
Principal Investigator |
深沢 力 山梨大学, 工学部, 教授 (70023017)
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Keywords | 接触分析 / 自動分析 / ヨウ化物イオン定量 |
Research Abstract |
昨年度の研究で作製した自動分析装置を使い、クロルプロマジン(CP)ー過酸化水素反応を用いて極微量ヨウ化物イオンを高感度定量をするために、本反応の反応条件を検討した。その結果を基に、本分析装置の分析性能をバッチ法と比較して評価した。 1.クロルプロマジンー過酸化水素反応を用いるヨウ化物イオンの接触定量(バッチ法):リン酸酸性溶液中でCPを臭素酸塩で酸化発色させ、初期の発色反応を零次反応近似して擬零次反応速度数kを測定し50ngまでのヨウ化物イオンが接触定量されているが、追試してみると零次反応近似に無理があり、反応も遅いように思われた。種々の実験から、硫酸酸性で過酸化水素によりCPを酸化すると、零次反応に近似しやすく反応が速いことが分かった。そこで、各試薬の濃度、反応温度について最適反応条件を求めた結果、検出下限は2.5ng/5mlとなり、500ng前後のヨウ化物イオンは50ng以下の誤差で定量できた。また、発色後に現れる退色を続けて測定し吸光度の極大値を求めると、その値はヨウ化物イオン量に比例し1ngまで定量できたが、kを測定する方が迅速で、使用した分光光度計によりkが自動演算できる利点があった。 2.自動接触分析によるヨウ化物イオンの定量:上記で得た過酸化水素ーCP反応(硫酸酸性)の反応条件を基に、昨年度に作製した自動接触分析装置を使い、反応速度定数を測定してヨウ化物イオンを定量した。本分析装置は撥水性のあるテフロン管を流路にしたが、CP溶液は濡れ易く、溶液の流れは他の水溶液に比べて遅くなった。しかし、混合の再現性には問題なかった。反応溶液中50ppbのヨウ化物イオンを繰り返し定量した結果、バッチ法(500ng/10ml)に比べて自動分析装置(23.3ng/0.466ml)の検出下限は約1/50低い3ngとなり、絶対感度の優れる本分析装置の特長が明らかになった。
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Research Products
(2 results)