1991 Fiscal Year Annual Research Report
ラテックス粒子やリポソ-ムでの特異的生化学反応を用いるフロ-インジェクション分析
Project/Area Number |
02650541
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
森下 富士夫 京都大学, 工学部, 助手 (30026281)
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Keywords | フロ-インジェクション分析 / リポソ-ム / 免疫反応 / 抗体固定化反応管 / 抗原修飾リポソ-ム |
Research Abstract |
本年度は主としてリポソ-ム上での免疫反応の流れ分析への応用について調べた。本法は、表面に抗原分子を結合したリポソ-ムを抗原あるいは抗体を含む試料溶液に混合し、あらかじめ抗体を固定化しておいた反応管に流して、競争的な免疫反応後、リポソ-ムの破壊によって小胞体の中の封入マ-カ-物質を放出、検出して分析的な信号ぉ取り出すというものである。本法の原理的な可能性と限界について知見を得るために、免疫系としてウサギIgGとその抗体を選んだ。また、抗原修飾リポソ-ムの特性について調べるために、抗原あるいは抗体に代わるタンパク質としてペルオキシダ-ゼを用い、活性値を測定した。振とう法とエ-テルインジェクション法によりそれぞれ多重膜構造および一枚膜構造のリポソ-ムを調製し、流れ系での使用を前提に安定性およびマ-カ-分子の封入量について比較し、後者を採用した。リポソ-ムにおいてはジスルフィド結合あるいはチオエ-テル結合を介して抗原をリン脂質に固定したときに、そうして、ガラスキャピラリ-反応管においてはシラン化剤によって表面のシラノ-ル基にメルカプト基を導入し、チオエ-テル結合を介して抗体を固定化したとき、最も良い結果が得られた。免疫反応終了後の抗体固定化反応管の洗浄、再生について検討した結果、10%エチレングリコ-ルを含む1M酢酸溶液が極めて効果的であった。以上の結果に基づいて、フロ-インジェクション分析を実施したところ、リポソ-ムの非特異的吸着がかなり妨害することが判明した。これは反応管内で親水的な相互作用でおこるもので、壁面の疎水化処理によってかなり試減できるが、その影響を完全に抑制することはできなかった。しかしながら、反応時間約7分で、10^<-7>〜10^<-2>g/mlの濃度範囲の抗原を含む試料に対してシグモイド型の応答曲線が得られた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] F.Morishita,T.Suzuki,K.Suemasa,M.Ichise and T.Kojima: "Flow injection analysis using enjymeーimmobilized eatex in carrsis solution" Anal.Sci.
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[Publications] F.Morishita,F.Itano T.Imai,M.Ichise and T.Kojima: "Flow injiction analysis using immunoーreaction on the surface of liposome"