1991 Fiscal Year Annual Research Report
逆ミセルをシッフ塩基化学発光の反応場に利用するアミノ酸・たん白質のフロ-定量
Project/Area Number |
02650546
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
保母 敏行 東京都立大学, 工学部・工業化学科, 教授 (00087321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 正昭 東京都立大学, 工学部・工業化学科, 助手 (10087322)
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Keywords | シッフ塩基 / アミノ酸 / たん白質 / 化学発光 / 逆ミセル / フロ-インジェクション法 / 界面活性剤 |
Research Abstract |
前年度の実験で、フェニルアセトアルデヒド(PAA)とアミノ酸とによるシッフ塩基生成が、AOT逆ミセル溶液で著しく増大する事を示した。そこで、シッフ塩基生成に対する逆ミセルの効果を検討するために、均一溶媒系(メタノ-ル)およびAOT逆ミセル系での反応速度を、シッフ塩基のけい光性を利用して(シッフ塩基は450nm付近にけい光を示す)調べた。その結果、逆ミセル系ではミセルサイズが小さくなるに従い、シッフ塩基生成の速度定数は著しく増大し、一方その逆反応速度定数は若干減少する事が示された。この結果、平衡定数はミセルサイズの減少と共に一特にW^0値(=[H_2O]/[AOT])が5付近から一著しく増大している事がわかった。また、ミセル内水相に可溶化しているアミノ酸の可溶化位置の推定を、数種類アミノ酸けい光寿命を測定して調べた。また、16種類のαーアミノ酸の疎水性(アミノ酸濃度に対する水の表面張力変化率、dσ/dC)とそれらから誘導化されたシッフ塩基の化学発光強度との間での相関も比較的良好であった。これらの結果より、疎水性の強いアミノ酸程シッフ塩基生成速度が高く、化学発光強度も大きい事が示された。 つぎに、HPLCと前年度に行ったフロ-化学発光測定系との結合を行い、ポストカラム法によるアミノ酸の分離定量について検討した。逆ミセル系におけるシッフ塩基生成は、W_0値をできるだけ小さく、すなわち逆ミセル溶液中での水量をできるだけ小さくする事が必要である。そこで、HPLのカラムにマイクロカラム(内系1mm、長さ250mm)を用い、流量0.05ml/minに設定して、逆ミセル溶液中での水の濃度を極力小さくして実験を行った。移動相には、アセトニトニル:水を40:60の比で混合した溶液に、ラウリル硫酸ナトリウム、りん酸を添加した溶液を使用した。この結果、pmolレベルでのαーアミノ酸の分離、定量が行えた。 また、シュウ酸ジエステル化学発光反応を逆ミセル溶液中で行わせると、その化学発光収率、及び発光強度が著しく増大することを見いだし、現在これについて検討中である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] J.Hayashi et.al.: "Schiff base chemiluminescence with Fenton's reagent for the determination of primary amines and amino acids" Analytica Chimica Acta. 247. 27-35 (1991)
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[Publications] J.Hayashi et.al.: "Chemiluminescence flowーinjection method for the determination of amino acids based on Schiff base formation in sodium bis(2ーethylhexyl) sulphosuccinate reversed micelles" Analytica Chimica Acta. 259. 67-72 (1992)
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[Publications] J.Hayashi et.al.: "Effects of AOT reversed micelles on the formation of Chemiluminescent Schiff base with phenylacetaldehyde and aminoacids" Analytica Chimica Acta.