1991 Fiscal Year Annual Research Report
環境大気中アンモニアの達続・リアルタイム測定システムの開発
Project/Area Number |
02650550
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Research Institution | Faculty of Science and Technology, Keio University |
Principal Investigator |
山本 憲子 慶應義塾大学, 理工学部, 専任講師 (50051420)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 孝治 慶應義塾大学, 理工学部, 専任講師 (80154540)
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Keywords | アンモニア / 大気分析 / 熱イオン化検出器 / ガスクロマトグラフィ- / 連続測定 |
Research Abstract |
本研究では、有機窒素化合物に高選択性かつ高感度を示す熱イオン化検出器(FTD)を備えたガスクロマトグラフ(GC)と、試料ガスを吸着濃縮捕集し、これを加熱脱着させる装置とを組合わせた大気中の微量アンモニアの分析システムの開発を目的とした。 本装置による分析は次の3行程で行はれる。(1)試料ガスは、吸着剤として5%KOHを塗布したPorasil Bを充填し捕集管に濃縮捕集される。(2)捕集管はキュリ-ポイント加熱装置により、315℃まで急速に加熱され脱着された成分は速やかにキャリヤ-ガスによりGCに移送される。(3)試料成分はGCにより分析される。 GCによる分析条件を検討した結果、分離カラムの充填剤として15%PEG6000と1%KOHをChromosorsb103に塗布したものを用い、無機ガスであるアンモニアを、キャリヤ-ガスとしてヘリウムに1%メタンを混合したもの使用することにより高感度で精度の良い分離定量を行うことができた。大気試料の吸着捕集/加熱脱着装置についてはアンモニアの標準ガス(20ppbレベル)を用い、捕集効率および加熱回収率について検討した。常温における捕集効率は、吸引流量200ml/min,採気量1.5ー4lで100%が得られた。加熱脱着については、315℃、加熱時間1分で100%の回収率が得られ、良好クロマトグラムを示した。本システムによる検量線は、0.5ー100ngの範囲で再現性のよい良好な直線を示し、精度の良い分析を行うことができた。よって本システムにより、吸引流量200ml/min,採気量2lで数ppbレベルの大気中アンモニアを高感度かつ高時間分解能で連続分析することがが可能となった。 本法を実大気測定に適用したところ、共存ガスの妨害もなく24時間の経時変化さらに15分サイクルの連続測定を行うことができ、連続分析システムとして完成させることができた。
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[Publications] Noriko Yamamoto,Hideaki Nishiura,Takahisa Honjo and Hidenari Inoue: "Determianation of Ammonia in the Atmosphere by Gas Chromatography with a Flame Thermionic Detector" Analytical Sciences,Supplement Issue.7. 1041-1044 (1991)