1991 Fiscal Year Annual Research Report
有機テンプレ-ト剤を用いた高圧水熱法によるケイ酸塩化合物の合成に関する研究
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02650551
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
町田 憲一 大阪大学, 工学部, 助教授 (00157223)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小平 紘平 北海道大学, 工学部, 教授 (60002002)
足立 吟也 大阪大学, 工学部, 教授 (60029080)
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Keywords | ケイ酸塩化合物 / ゼオライト / 水熱法 / 有機テンプレ-ト剤 / 希土類錯体 / 蛍光特性 |
Research Abstract |
本研究は平成2年度から同3年度にわたり、高圧水熱法で合成されるケイ酸塩化合物の形態に及ぼす有機テンプレ-トイオン種の効果を明らかにすると共に、優れた発光特性を有する希土類イオンをプロ-ブとすることで、ゼオライト細孔内の物理化学的環境について検討を加えた。 (1)ゼオライトの形態に及ぼす有機テンプレ-トイオン種の効果 テトラnープロピルアンモニウム塩を中心に、アルキル基の一部をメチル基、エチル基、ブチル基およびプロパノ-ル基で置換し、ペンタシル型ZSMー5ゼオライトの合成を試みた。その結果、モノメチルトリnープロピルアンモニウム塩のような非対称な分子とすることで、ZSMー5の生成速度が大巾に抑制されることが明らかとなった。しかしこれに伴って、同定はできないが新しい相の生成も見られることから、新規なゼオライトを合成できる可能性があると考えられる。 (2)希土類イオンをプロ-ブとするゼオライト細孔内の物理化学的環境 希土類イオンであるユウロピウム(Eu^<2+>)をイオン交換したY型ゼオライトは、Eu^<3+>のf-f遷移に基づく赤色発光を示し、更にビピリジル、ピリジンジカルボン酸およびアセチルアセトンを導入することで発光強度が大巾に増大することが明らかとなった。特にピリジンジカルボン酸等を導入した場合、その発光強度は250倍にも達した。また、Eu^<3+>に基づく618nmの発光はこのイオンの周囲に形成される配位環境の対称性が反転中心をもたない場合、遷移の禁制が解けて発光強度が増大する。この発光ピ-クの強度をモニタ-したところ、通常水溶液から導入されたEu^<3+>イオン交換ゼオライトでは、反転中心をもつ配位環境が水の配位により形成される一方、上記の有機配位子を導入することでこれらが配位し対称中心が失われることが明らかとなった。またその配位状態は通常の溶液中の場合と比べ、極めて特異的なものであった。
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Research Products
(1 results)