1991 Fiscal Year Annual Research Report
気相電気化学系を用いた炭酸ガスの有効物質への変換に関する研究
Project/Area Number |
02650570
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
田邉 博義 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (70125376)
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Keywords | 炭酸ガスの環元 / 気相電気化学 / 酸素イオン導電性固体同適解質 / 界面 |
Research Abstract |
1.本研究では、炭酸ガスの有効物質への変換反応に対し、8m/oY_2O_3安定化ZrO_2固体電解質/La_<1ーx>Sr_xMO_3(M=Co,Mn,Ni)酸化物電極で構成される気相電気化学系を適用し、分極による酸素ポンプ機能及び反応種の活量制御機能を積極的に活用したより高性能な変換系の構築を目指した。 2.系特性の重要な支配因子である電極/電解質界面状態及び電解質バルク低抗の反応特性に及ぼす影響について(i)CO_2ガス及び(ii)CO_2/H_2O混合ガス雰囲気下で電流ー電位関係、界面インピ-ダンス及び反応生成物分布等の解析に基き検討を行なった。 (1)環元反応は、単一金属電極系の場合と同様、電極材料の影響を受け、電気化学的及び接触的に進行する。又、噴霧熱分解法による電極は、ペ-スト法によるものに比べ提温度での焼き付けが可能で電解質とのマッチング及び系特性の向上をもたらす有効な方法であることがわかった。 (2)所定ガス雰囲気下における各系での反応生成物及び電流効率η_xの電位依存性並びに界面構造との関係について検討がなされた。主生成物であるCOのη_<co>は、単一金属電極(Pt,Ag)系でのそれよりも大きい値を示し最大〜90%にも達した。又、(ii)の雰囲気下ではη_<co>は低下するが、COに加えCH_4も生成され、分極下の界面動特性が向上することが判明した。 (3)試験した総ての系において、大きな分極下(〜1.7v〜-1.9v)では固体電解質の部分的電子電導の出現による電解質バルク低抗の急激な低下が見られそれに対応したη_xの低下が観測される(η_x→O)。しかし、電子電導出現以前の分極では、系は長時間の分極にも安定的挙動を示し、その界面構造はガス雰囲気及び分極電位によって多少異なるが、際本的には電解質バルク低抗、界面の不均一性に帰因するCPA、有限拡散及び電荷移動に対応する各インピ-ダンスの組み合わせによって等価回路的に表現できることがわかった。
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Research Products
(1 results)