1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02650586
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
金井 宏俶 京都府立大学, 生活科学部, 教授 (40026050)
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Keywords | 多核金属錯体 / 酸素酸化反応 / 混合原子価 / 混合金属錯体 / μーオキソ / 酸化脱水素反応 |
Research Abstract |
1.酸素架橋三核金属カルボキシラ-ト錯体【M_3O(O_2CR)_6】L_n(M=Fe,Co,Cr,Mn,V,R=CH_3,CH_2Cl,CHCl_2,CCl_3,C(CH_3)_3,置換フェニル,L=H_2O,py)によるオレフィンの酸素酸化(60ー90℃)を行なった。neat系でのスチレン酸化の生成物は、スチレンオキシドと二重結合が開裂したベンズアルデヒドであった。Fe^<III>_3錯体におけるカルボキシラ-トの影響は、脂肪族系より芳香族系の方が酸化速度、エポキシド選択性に勝れ、芳香族カルボキシラ-トではハメットσ値がー0.1〜ー0.2の置換体がエポキシド選択性を高めた。Fe^<III>_2Fe^<II>とFe^<III>_3アセテ-ト錯体を比較すると、酸化速度、エポキシド選択性ともに混合原子価錯体の方が優れていた。混合金属、混合原子価アセテ-ト錯体では、酸化活性、エポキシド選択性両方にCo^<III>_2Co^<II>、Cr^<III>_2Fe^<II>、Fe^<III>_2Znの組合せが有効であった。Fe^<III>_2Mn^<II>は酸化活性を全く示さなかった。エポキシド選択性は85℃で最高に達し、酸素圧の低下ともに向上し、Fe^<III>_2Znアセテ-トによる酸化は酸素圧13kPaでエポキシド選択率50%に達した。1ー,2ーメチル置換スチレンの酸化はスチレンに比べ酸化速度は低く、2ー置換体からはエポキシドが50%の選択率で得られたが、1ー置換体からは二重結合開裂生成物のみであった。トランスー2ーメチル置換スチレンはシス体より反応性が2.4倍高かった。 2.【Fe^<III>_2M^<II>O(O_2CH_3)_6】(H_2O)_n(M^<II>=Zn,Mn,Fe,Co,Mg)をシリカに担持し、773Kで焼成した触媒による1ーブテンの酸化脱水素反応を行なった。MがFeのときに比べ、Mnでは活性は高いが、ブタジエン生成選択率が低下した。Znでは活性、選択性ともに優れ、Co,NiではFeと変らず、Mgでは脱水素活性を全く示さなかった。触媒前駆体における金属間の相互作用が影響することを示し、この効果がさらに顕著に現れる触媒反応を検討している。
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Research Products
(1 results)