1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02650595
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
伊藤 博徳 北海道大学, 工学部, 助教授 (70001287)
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Keywords | 高圧水素化分解反応 / モデル化合物 / 水素圧 / 反応温度 |
Research Abstract |
ジベンジル(DB)とベンジルフェニルエ-テル(BPE)を試料とし、安定化ニッケル触媒、二環系溶媒(デカリン、テトラリン、ナフタレン)を用い、50mlのオ-トクレ-ブにより、水素圧と反応温度による効果を検討した。両試料とも300℃程度の低温においては、両端のベンゼン環の水素化が起り、DB、BPEともに、パ-ヒドロ化合物(ベンゼン環二つとも水素化された生成物)、ヘキサヒドロ化合物(片側のベンゼン環の水素化された生成物)が得られた。BPEは250℃以上ではCー0結合がほとんど完全に切断される。300℃以上の高温にすると、脱水酸基反応が起こり、ベンゼン環の水素化反応は抑制された。反応温度を上昇するとDBベンゼン環を連結しているCーC結合も切断される。しかしBPEのCー0結合は250℃ではほゞ完全に切断されフェノ-ル、トルエン、メチルシクロヘキサンが生成するのに対し、DBのCーC結合は350℃以上でなければ切断されない。水素圧を上昇させると、DBは450℃、15分の反応で水素化生成物(パ-ヒドロ生成物とヘキサヒドロ生成物)を多く生成し、分解生成物も若干多くなる。一方BPEは400℃、15分の反応において、分解生成物(トルエン、フェノ-ル)とその水素化生成物(シクロヘキサノ-ル、メチルシクロヘキサン)および脱水酸基、脱メチル化生成物(ベンゼン、シクロヘキサン)も増加する。また水素圧を上昇させるとガスの発生が抑制される。2環系溶媒では、デカリン>テトラリン>ナフタリンの順で反応が加速されることが判明した。
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Research Products
(1 results)