1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02650596
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
米田 徳彦 北海道大学, 工学部, 教授 (50001219)
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Keywords | 含フッ素化合物 / トリフラ-ト / ジアゾ化 / 脱ジアゾ化 / ジアゾニウム塩 / トリフルオロメタンスルホン酸 |
Research Abstract |
有機合成上有用な置換基であるトリフラ-ト基をもつアリ-ルトリフラ-ト(ArOTf)は芳香核上のフェノ-ル性OH基と無水トリフルオロメタンスルホン酸の反応により合成される。本研究ではアミノ基のジアゾ化・脱ジアゾ化反応によるトリフラ-ト基(ーOSO_2CF_3=ーOTf)への変換を以下の(1)〜(3)により試みた。(1)ArN_2BF_4の含フッ素強酸中での分解によるArX合成:別途合成したArN_2BF_4のトリフルオロメタンスルホン酸中での熱分解により対応するArOTfを効率よく合成できた。本反応を用いることにより既知合成法では困難なーOH基を有するArOTfを好収率で得ることができる。(2)ArNH_2からのOneーpot法によるArOTfの合成:過剰のCF_3SO_3H中のArNH_2にNaNO_2飽和水溶液を0℃でゆっくり加えin situで1時間室温あるいは加熱しArOTfを合成した。ピリジンのような塩基を共存させるとタ-ル等の副生物が減少し,ArOTf収率が向上した。また、ジアゾニウム塩が不安定なため(1),(3)の反応が利用できない複素環アミノ化合物の場合も本法を用いることにより良好な収率で対応するArOTfを与えた。(3)新規ジアゾニウムトリフラ-ト塩(ArN_2OTf)合成およびその分解:CH_3OH中ArNH_2にCF_3SO_3Hを滴下した後CH_2Cl_2を加え、0℃で当量の亜硝酸イソアミルを添加し,室温で2h反応させ,粗生成物を再結晶することで大気中で安定な結晶状の新規化合物ArN_2OTfを得た。ーNO_2やーCF_3基のような電子吸引基をもつArNH_2では良好なArN_2OTf収率を与えるがーCH_3では収率が低下した。ArN_2OTfの分解を無溶媒あるいは溶媒(CF_3SO_3H,CH_3CN)中で行うと,ーCH_3,ーCF_3基をもつ基質は良好な収率で対応するArOTfを与えた。ーNO_2基や複数置換基をもつ基質および縮合芳香環のジアゾニウム塩ではその分解に比較的高温を要し、タ-ル状物質が副生した。しかしこれらのArN_2OTfも紫外線照射分解によりArOTf収率が著しく向上した。
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[Publications] T.Fukuhara,N.Yoneda,K.Takamura,and A.Suzuki,: "Preparation of pーFluorophenols from pーAminophenols:Diazotization and Fluorodediazoniation in PyridineーHF" J.Fluorine Chem.51. 299-304 (1991)
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[Publications] N.Yoneda,T.Fukuhara,T.Mizokami,and A.Suzuki,: "A Facile Prepation of Aryl Trifrates:Decomposition of Arenediazonium Tetrafluoroborate Salts in Trifluoromethaneslufonic Acid" Chem.Lett.459-460 (1991)
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[Publications] N.Yoneda,: "The Combination of Hydrogen Fluoride with Organic Bases as Fluorination Agents" Tetrahedron. 47. 5329-5365 (1991)