1990 Fiscal Year Annual Research Report
高脂溶性含フッ素テトラフェニルホウ素ア-ト錯体型安定陰イオン種の合成
Project/Area Number |
02650613
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小林 宏 九州大学, 機能物質科学研究所, 教授 (10037731)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
園田 高明 九州大学, 機能物質科学研究所, 助教授 (90108770)
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Keywords | テトラフェニルホウ素錯体 / 高脂溶性 / 安定有機陰イオン種 / 多フッ化芳香族化合物 |
Research Abstract |
本研究計画の目的である含フッ素置換基を多数個導入したテトラフェニルホウ素ア-ト錯体の合成に関して以下の成果を得た。1)含フッ素テトラフェニルホウ素ア-ト錯体の出発物質となる種々の置換ベンゼン類の分子設計を行い、立体的かさ高さ及び脂溶性の増大が期待できる含フッ素置換基の構造として、2ー位にメトキシル基、2,2,2ートリフルオロエトキシル基、4ーペルフルオロトリロキシル基を有する3種の1,1,1,3,3,3ーヘキサフルオロー2ープロピル基を選び、これらの含フッ素置換基を3ー及び5ー位の2カ所に対称的に導入したヨ-ドベンゼン並びに5ー位に導入した非対称の5ー置換ー3ートリフルオロメチルヨ-ドベンゼンを合成した。2)得られたフッ素置換フェニルハロゲン化物からグリニアル試薬を調製する反応条件について、特に反応物質の仕込み量を増した場合の反応条件の最適化の検討を行い、含フッ素ヨ-ドベンゼンに対して10モル%のブチルマグネシウム臭化物を開始剤に用いるグリニアル試験調製法により最高の生成物収率を得た。3)本研究で合成した新規の含フッ素テトラフェニルホウ素ア-ト錯体を単離精製し構造確認を行った。4)2ー(2,2,2ートリフルオロエトキシ)ー1,1,1,3,ー3,3ーヘキサフルオロー2ープロピルを両メタ位に対称的に導入したTPB誘導体の合成については粗生成物のスペクトル分析の結果から目的物の生成が推定され、単離精製法を検討している。5)2ー(ペルフルオロトリルオキシ)ー1,1,1,3,3,3ーヘキサフルオロー2ープロピル基を有するTPB誘導体の合成については、中間体であるフェニルヨウ化物を合成し、グリニアル試薬の調製法及びホウ素ア-ト錯体へ誘導を検討している。
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