1992 Fiscal Year Annual Research Report
一酸化炭素を利用した有機化合物の反応と合成について
Project/Area Number |
02650615
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Research Institution | KASAI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
浜中 佐和子 関西大学, 工学部, 教授 (90067611)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 豊 関西大学, 工学部, 専任構師 (30180665)
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Keywords | 一酸化炭素 / セレン化水素 / フェニル置換α,βージケトン / ハロゲン化アルミニウム / アダマンタン / アダマンタンカルボキシルアルデヒド |
Research Abstract |
有機合成化学に一酸化炭素を利用する、(1)一酸化炭素の還元能を利用する一酸化炭素-セレン-水系による還元反応と、(2)有機化合物中に一酸化炭素を炭素源として挿入する一酸化炭素とカルボカチオンとの反応とを行なった。 1)一酸化炭素-セレン-水系による還元反応 塩基存在下セレンを水と一酸化炭素と反応させると、セレン化水素が生成する。この発生するセレン化水素の環元能を、使用する塩基の種類、量、反応温度、時間などの諸条件によって調節して、反応系中に有機化合物を共存させて、有機化合物の環元を行った。 本年度は、同一分子内に脂肪族ケトンと芳香族ケトンの2種類のカルボニル基をもつジケトン類の選択的還元を検討した。ついで、有機化合物の還元反応中に生成するセレニド類(ジアルキルモノおよびジセレニドなど)を合成し、このセレニド類を利用する有機合成法について検討したが、良い結果は、得られなかった。 2)一酸化炭素とカルボカチオンとの反応 本年度は、ハロゲン化アルミニウム触媒(AlCl_3、AlI_3など)によって引抜かれ易い第三水素をもつ脂環状飽和炭化水素であるアダマンタンおよびテトラヒドロジシクロペンタジエンを、塩化メチレン溶媒中でハロゲン化アルミニウム触媒を用いて一酸化炭素と反応させ、カルボニル化合物(アルデヒドおよびカルボン酸類)の合成を行なった。アダマンタンを用いた場合には、容易にアダマンタンカルボキシアルデヒドが合成できたが、テトラヒドロインダンの場合には、目的としたexo-トリシクロ[5,2,1,0^<2,6>]デカン-2-カルボン酸は、約35%程度しか得られずノルボルナン環が環拡大した構造のケトンが副成した。
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Research Products
(1 results)