1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02650619
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
橋本 幸彦 東京大学, 工学部合成化学科, 助手 (50201710)
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Keywords | カチオン / Michael反応 / DielsーAlder反応 / Claisen縮合 / 立体選択的 / 位置選択的 / Lewis酸 |
Research Abstract |
2,2ージメトキシエチルエステルにルイス酸を作用させるとメトキシ基が引き抜かれ、さらにエステル基が隣接基関与した形のカチオン中間体が生成することをすでに報告している。今回、アクリル酸から誘導される2,2ージメトキシエチルエステルがルイス酸の作用により、極めて優れたジエノフイルとなり、温和な条件下ジエンと反応し、高収率、高選択的に目的とするDielsーAlder付加物を与えることを見いだした。なお、この際原料として用いるエステルはアゾジカルボン酸ジエチルトリフェニルホスフィンの系で2,2ージメトキシエタノ-ルとアクリル酸を脱水縮合させることにより容易に合成可能であることも報告した。この反応に関しては、現在さらにカチオン生成手法や不斉合成反応への応用を検討している。さらに、クロトン酸エステルの場合にはエナミン類との反応により高立体選択的に対応するMichael付加物を与えることを報告した。ここで観測される立体選択性はエナミンの窒素原子のカチオン中心との相互作用で説明することができ、本反応に極めて特徴的である。α,βー不飽和エステルに代われ通常のエステルを用いると、Claisen縮合型の反応が進行することも見いだした。本反応で生成する化合物は1,3ージケトンの一方のカルボニル基のみ選択的に保護した形の化合物であり、合成ブロックとして極めて有用である。 エステル基の他に、スルフェニル基も隣接するカチオン中心に関与することが知られている。αースルフェニルアセタ-ルに対する立体選択的アルド-ル反応はすでに報告している。今回、これを拡張して酢酸(αースルフェニルメチルアリル)類にルイス酸を作用させて生ずるアリルカチオンに対して求刻剤を作用させると、スルフェニル基の隣接基関与のある側で高選択的に反応が進行することを見いだした。この手法については現在ピナコ-ル転位反応等に応用し、検討中である。
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[Publications] K.Saigo: "Facile Synthesis of Selectively Monoprotected Unsymmetrical 1,3ーDiketones from 2,2ーDimethoxyethyl Esters" Synthetic Communications. 20. 2197-2202 (1990)
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[Publications] Y.Hashimoto: "The DielsーAlder Reaction of a 2,2ーDimethoxyethyl Ester via a Cationic Intermediate" Tetrahedron Letters. 31. 5625-5628 (1990)
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[Publications] S.Machida: "The Highly Synーselective Michael Reaction of Enamines with 2ー(1ーAlkenyl)ー1,3ーdioxiolanー2ーylium Cations Generated from 2,2ーDimethoxyethyl 2ーAlkenoates in situ" Tetrahedron. 47. 3737-3752 (1991)
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[Publications] K.Kudo: "A Highly Regioselective Reaction of Allylic Acetates with Silylated Carbon Nucleophiles Directed by a Sulfenyl Group" Tetrahedron Letters. 32. 4311-4312 (1991)