1990 Fiscal Year Annual Research Report
新規含セレン分子ーセレノカルボン酸誘導体の分子設計と新合成法の開発
Project/Area Number |
02650622
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
加藤 晋二 岐阜大学, 工学部, 教授 (40021589)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 秀晴 岐阜大学, 工学部短期大学部, 教授 (60021599)
村井 利昭 岐阜大学, 工学部, 助教授 (70166239)
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Keywords | セレノカルボン酸塩 / セレノカルボン酸ナトリウム / セレノカルボン酸カリウム / セレノエステル / セロンエステル / セレノアミド |
Research Abstract |
近年セレノカルボン酸エステルに脳神経ブロック剤としての有効性及び液晶性が見い出され注目を集めている。本研究では含セレン有機分子特ににセレノカルボン酸誘導体合成の最も基本的かつ重要な出発化合物となるセレノカルボン酸ナトリウム塩及びカリウム塩の合成法の確立とそれらの反応性を明らかにすることを目的とした。 結果:液体アンモニア中金属ナトリウムとセレンとから調製したセレン化ナトリウムにエ-テル中当モルのアシリクロリドを0℃で2時間反応させることにより目的のセレノカルボン酸ナトリウム塩が高収率で合成できることを見い出した。また同様にセレン化カリウムとの反応からはセレノカルボン酸カリウム塩が高収率で合成できることを見い出した。これらナトリウム塩及びカリウ塩を系統的に合成してスペクトルを明らかにした。IRスペクトル及びSeー77梓磁気共鳴スペクトルからこれら塩はセレンに陰電荷が極在化した構造をしているものと推測された。 これまで合成例のないセレノカルボン酸Seーアルキンエステルの合成法を確立し,それらがアルコ-ルと反応しセロンエステルを高収率で与えることを,また第1級アミン,第2級アミンと反応し対応するセレノアミドを高収率で生成することを見い出した。 セレノカルボン酸ナトリウム及びカリウム塩はオルガノ鉛クロリドと反応しSeーオルガノ鉛セレンカルボキシレ-トをほゞ定量的に与えることを見い出し,それらのスペクトルと反応性を明らかにした。 さらにリチウムアリキンセレノラ-トとイミンとの反応からβーセレンノラクタムが高収率で得られ,それらの構造は何れもシス-異性体であることを見い出した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] S.Kato,H.Kageyama,K.Takagi,K.Mizoguchi,T.Murai: "Crystalline Sodium SelenocarboxylatesーSynthesis and Characterization" Journal fu^^¨rーPraktische Chemie. 332. (1990)
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[Publications] S.Kato,H.Kageyama,T.Kanda,T.Murai,T.Kawamura: "Crystalline Sodium Selenoー and Telluroーcarboxylates:Localization of Negative Charge on Electropositive Chalcogene Atom" Tetrahedron Lettesr. 31. 3587-3590 (1990)
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[Publications] H.Ishihara,M.Yoshimi,S.Kato: "A Facile Synthesis of βーSelenolactams" Angewandte Chemi Int.Ed.Engl.29. 531-531 (1990)
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[Publications] S.Kato,H.Ishihara,K.Ibi,H.Kageyama,T.Murai: "Isolation and Characterization of SeーOrganolead Selenocarboxylates" Journal of Organometallic Chemistry. 386. 313-320 (1990)