1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02650672
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
大内 辰郎 関西大学, 工学部, 教授 (60067650)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大矢 裕一 関西大学, 工学部, 助手 (10213886)
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Keywords | 高分子プロドラッグ / リンゴ酸ポリマ- / キチン / 5ーフルオロウラシル / キトサン / 生体内分解性高分子 / PEG / 制がん活性 |
Research Abstract |
平成2年度は以下に示すように、PEG、リンゴ酸ポリマ-、キチン、キトサン、ポリガラクトサミン等生体内分解吸収性の高分子をキャリヤ-として選び、それら高分子キャリヤ-への5ーフルオロウラシル(5FU)の担持、および認識能を有する糖鎖の導入を試み、それらの合成法を確立し、in vitroでの5FUのリリ-ス挙動について検討した。 1)生体内分解吸収性高分子/5FU・コンジュゲ-トの合成 PEG、リンゴ酸ポリマ-、キチン、キトサン、ポリガラクトサミンをキャリヤ-とし、疎水性のヘキサメチレン基を介してアミド結合、エステル結合、カルバモイル結合などで5FUを担持した高分子コンジュゲ-トの合成を試み、それらの合成法を確立した。 2)認識能を有する糖鎖を導入した生体内分解吸収性高分子/5FU・コンジュゲ-トの合成 キチン、キトサン、ポリガラクトサミンなどにはキャリヤ-自体の性質から特定細胞へのアフィニティ-が期待されるが、PEG、リンゴ酸ポリマ-ではそのようなことは期待できない。そこで標的指向性を賦与する目的で肝細胞に認識されるガラクト-ス、ガラクトサミンなど種々の認識能を持つ糖鎖を5FUと共に、PEGおよびリンゴ酸ポリマ-に担持することを試みた。 3)薬物のリリ-ス挙動の評価 上記の方法で合成した高分子コンジュゲ-トの酵素系および非酵素系での加水分解速度を高速液体クロマトグラフィ-を用いて測定し、薬物のリリ-スを評価した。In vitroでは、リパ-ゼ、エステラ-ゼなどによる酵素分解に伴う5FUのリリ-スは認められず、アルカリ性pH条件下で非酵素的な5FUのリリ-スが起こりやすくなることが明かとなった。
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[Publications] 大内 辰郎: "Antitumor Activity of Chitasan and Chitin Immobilized 5ーFluorouracils through Hexamethylene Spacers via Corbamoyl Bonds" J.Bioact.Compat.Polymer. 4. 363-371 (1989)
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[Publications] 大内 辰郎: "Synthesis and Antitumor Activity of Conjugates of Poly(αーMalic Acid)and 5ーFluorouracils Bound via Ester,Amide or Corbamoyl Bonds" J.Control.Rel.12. 143-153 (1990)
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[Publications] 大内 辰郎: "Design of Poly(αーmclic acid)ー5FU Conjugate Exhibiting Antitumor Activity" Brit.Polym.J.23. 221-228 (1990)