1992 Fiscal Year Annual Research Report
海産性微細藻類の光合成による炭酸ガスの固定・水素生産のためのシステムの開発
Project/Area Number |
02650688
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮本 和久 大阪大学, 薬学部, 教授 (30028849)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木 清仁 大阪大学, 薬学部, 助教授 (70166479)
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Keywords | 海産性微細藻類 / 光合成 / 炭酸ガス固定 / 水素生産 / 緑藻 / エネルギー変換 |
Research Abstract |
地球温暖化の主要因とされる炭酸ガスを、微細藻類の光合成によって固定し、得られた藻バイオマスから水素を生産する方法について研究した。新たに分離した海産性緑藻(Chlamydomonas sp.MGA161)は、火力発電所の排気ガスを想定した高濃度(15%)炭酸ガス通気条件下で培養したとき、30℃では良好な炭酸ガス固定能を示し、また、高い水素発生能を維持していた。低温度条件を定期的に解除することにより、低温度/高炭酸ガス条件で培養することの利点(デンプン含量が多く、醗酵時のデンプン分解能および醗酵産物生産能が高いこと)を維持し、なおかつその短所である低い増殖能(主にラグタイムが長いこと)を改善することが可能となった。 屋外培養システム開発の基礎として、次のような検討を行った。1)醗酵過程におけるリアクター容積の縮小化の基礎データとして、細胞密度の水素生産に対する影響を調べた。増殖時の細胞密度の10-20倍に濃縮しても、醗酵時のデンプン分解に大きな変化は認められなかった。水素生産は低細胞密度で高く、高密度ではエタノールの生産が促進された。2)屋外培養試験を海外で行うことを前提とした、微細藻類のスクリーニングを開始した。タイ国産の淡水性緑藻の3株は、増殖およびデンプン蓄積能が優れていたが、水素生産については改善の余地が認められた。JSPSの援助により、インドネシア産の緑藻についての検討を計画している。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Miyamoto,K.: "Mechanism of adaptation and H_2 photoproduction in a marine green alga,Chlamydomonas sp.MGA161" Journal of Fermentation and Bioengineering. 70. 66-69 (1990)
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[Publications] Negoro,M.: "Growth of microalgae in high CO2 gas and effect of SOx and NOx" Applied Biochemistry and Biotechnology. 28/29. 877-886 (1991)
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[Publications] 宮本 和久: "海産性微細藻類の光合成による炭酸ガスの固定および水素生産" 化学工学シンポジウムシリーズ. 25. 45-50 (1991)
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[Publications] 宮本 和久: "炭酸ガスの固定・有効利用のためのバイオリアクター" ケミカルエンジニヤリング. 36. 50-54 (1991)
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[Publications] Miura,Y.: "Stably sustained hydrogen production with high molar yield through a combination of a marine green alga and a photosynthetic bacterium" Bioscience,Biotechnology,and Biochemistry. 56. 751-754 (1992)
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[Publications] Miyamoto,K.: "Immobilized cells of unicellular green algae and photosynthetic bacterium for use in a biophptolysis system" Applied Biochemistry and Biotechnology. 34/35. 459-466 (1992)