1991 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界流体を用いた成形ニュ-セラミックスの脱脂技術の開発
Project/Area Number |
02650692
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
舛岡 弘勝 広島大学, 工学部, 教授 (50034385)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
王 寧和 広島大学, 工学部, 助手 (70194058)
滝嶌 繁樹 広島大学, 工学部, 助教授 (10188120)
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Keywords | 超臨界流体 / ニュ-セラミックス / バインダ- / 抽出 / 二酸化炭素 / 相平衡 / 拡散係数 / 状態方程式 |
Research Abstract |
昨年度までの検討で超臨界流体脱脂に適したバインダ-を開発することができたので、本年度は効率的な脱脂が可能な操作条件,脱脂速度および焼成体の強度についての検討を行った。 1.脱脂時間を短縮すると共に脱脂に要する超臨界流体の使用量を低減する目的で、活性炭を併用した超臨界流体脱脂を行った。脱脂セルの上部に試料を,下部に活性炭を入れて脱脂を行った結果、超臨界流体を流通しなくても短時間で高い脱脂率を得ることができた。これは超臨界流体相に抽出されたバインダ-が活性炭に吸着することによって超臨界流体相中のバインダ-濃度が常に低い値に保たれるためであり、さらにセル内で温度差あるいは濃度差に起因した自然対流が生じることによってこの効果が増進されることが判明した。 2.脱脂時の物質移動抵抗を成形体内でのバインダ-の拡散のみと仮定して脱脂率を相関した結果、Fick型の拡散方程式によって脱脂速度および成形体中のバインダ-濃度分布を良好に相関できることが分かった。また、これによって成形体内でのバインダ-の有効拡散係数を知ることができた。 3.脱脂体を焼成して3点曲げ強果試験を行ったところ、超臨界流体脱脂による試料の3点曲げ強度は従来の加熱脱脂による試料のそれとほぼ同程度であり、しかも強度のばらつきが小さいことが分かった。 以上の検討より、超臨界流体による脱脂では低分子バインダ-と高分子バインダ-を適切に選択することによって従来の加熱脱脂に比べて脱脂時間を大幅に短縮でき、しかも強度的に遜色のない製品が得られることが分かった。したがって、特に大型のセラミックス製品の製造においては新しい脱脂法として有望であると思われる。
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Research Products
(2 results)