1990 Fiscal Year Annual Research Report
急速冷却時におけるめっき合金層の欠陥発生機構の解明に関する研究
Project/Area Number |
02650695
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
宮武 修 九州大学, 工学部, 教授 (70038579)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深井 潤 九州大学, 工学部, 助教授 (20189905)
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Keywords | すずめっき鋼板 / 表面欠陥 / 急速冷却 / 沸騰 |
Research Abstract |
1.冷却水温度と沸騰現象との関連 (1)従来測定が困難とされていた冷却水中におけるすずめっき鋼板の冷却速度を測定する方法を考案した.その際,試料板内には大きな温度分布が生じるために,測定温度を試料板表面温度と見なせないことがわかった.そこで,逆伝導問題を応用し,測定温度から試料板表面温度を推算する方法を数値的に検討し,計算時に与える試料寸法及び熱物性値の多少の誤差は表面温度の推算結果に大きく影響しないことを示した.実験においては温度測定と共に高速度カメラによる沸騰現象の観察を行い,冷却曲線の挙動が沸騰現象に良好に対応していることを確認した. (2)すずめっき鋼板(板厚640μm)の初期温度を250℃として冷却曲線の測定及び沸騰現象の観察を行った結果,すずが凝個する以前での沸騰形態は膜沸騰(冷却水温度=90℃)→遷移沸騰(70℃)→(核沸騰(50℃)と変化することがわかった. 2.表面欠陥の発生頻度と操作条件との関連 (1)200〜640μmの何れの板厚においても,表面欠陥の発生密度は冷却水温度が約70℃で極大値を示した. (2)すずめっき鋼板を空気中で自然冷却した結果,表面欠陥は現れず良好な表面状態となった.また,表面欠陥が発生したすずめっき鋼板を,もう一度加熱・自然冷却しても同様な結果が得られた. 3.以上の実験結果は,すずめっき鋼板の表面欠陥の発生は沸騰現象に影響され,特に遷移沸騰及び膜沸騰現象に関与していることを示している.
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