1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02650696
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
東谷 公 九州工業大学, 工学部, 教授 (10039133)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鹿毛 明子 九州工業大学, 工学部, 助手 (60093960)
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Keywords | FFF / クロマト分離 / 微粒子 / 高勾配磁気分離 / 磁性粒子 / ラテックス / 電場 / 荷電量 |
Research Abstract |
外力が磁場および電場で与えられる場合のFFFによる液相微粒子のクロマト分離の可能性について検討した。研究概要は以下の通りである。(1)実験用粒子として、粒径、荷電量、磁化率の異なる粒子(フェリコロイド粒子を含有した0.25μmポリスチレン磁性粒子、0.4、1.0μmポリスチレンラテックス粒子)を水溶液重合法にて合成した。(2)テストセルとしては3種類のものを試作し、その性能を検討した。磁気FFFについては、高勾配磁気力による分離を試みるため、テフロン管(内径0.5および1.0mm、長さ49cm)の外面に平行に3mm径の強磁性線を取り付けたものをテストセルとした。電場FFFについては多孔性管(内径0.285mm、長さ25cm)の外側にステンレス性の平行平板電極を取り付けたセル、並びにステンレス板を直接、流路の電極として用いたセル(1x1x200mm^3および1x5x200mm^3)をテストセルとして用いた。(3)磁気FFFについては、高勾配磁気力による磁性粒子の分離は可能であるが、磁性粒子間および磁性・非磁性粒子間の磁場による凝集の影響、および粒子の壁面への付着の影響が無視できないことが判明し、この手法による分離は非常に狭い実験条件の範囲でしか可能でないことが明らかになった。(4)電場FFFで多孔性管を用いた場合、粒子の壁面への付着の影響は小さく分離は可能であるが、分離性能が低いことが明らかになった。(5)電場FFFにおいて流路壁面を平行電極板(1x1x200mm^3)とした場合、粒子の分離性能が良く高速の分離が可能であるが、粒子の壁面への付着の影響が無視できないこと、並びにセル断面積を大きくすると再現性が悪くなることが明らかになった。 以上の結果を総合すると、磁気FFFは実現が難しいが、電場FFFは高速分離法として利用できることが明らかになった。今後は、粒子の壁面への付着を最小限に抑えるための手法の開発が必要である。
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