1990 Fiscal Year Annual Research Report
析出面の高温マスキングによるSiCウィスカ-の成長制御に関する反応工学的研究
Project/Area Number |
02650703
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
堀尾 正靭 東京農工大学, 工学部, 助教授 (40109301)
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Keywords | Sic / ウィスカ- / VLS機構 / 成長速度 |
Research Abstract |
ウィスカ-強化複合材料用原料として重要なSiCウィスカ-を、より汎用な材料とするためには、製造法の連続化と量産プロセスの確立による低コスト化が不可欠な課題である。本反応系は高温場(1400〜1600℃)で、炭素源(CH_4等)、Si源(SiO)、およびVLS成長のための触媒(Ni、Feなど)の挙動すべてを制御することが必要であり、所定の太さのSiCウィスカ-を選択的に成長させる連続プロセスの開発には、反応工学的な知見の蓄積と体系化が必要である。本研究では、従来のVLS機構を利用したSiCウィスカ-製造プロセスに、(1)電子材料の製造において発達してきたマスク法を利用し、触媒や高温レジスト材の基板上へのプリントを行い、(2)高温場での核生成、各物質間の界面エネルギ-等について基礎的測定とモデル化を行うとともに、(3)それらの知見を総合して、SiCウィスカ-の制御された成長の実現を試みることを目的とする。本年度はマスク法の適用に先立ち基礎的な実験を行い以下の知見を得た。I.SiOガス発生部とSiCウィスカ-析出部を有する横型環状反応器を用い、反応温度、昇温条件、ガス流量、ガス組成、SiO発生源であるシリカと炭素の複合粒子性状、析出基板の種類を変えて、ウィスカ-を合成し、生成物のSEM写真から、1.ウィスカ-先端の触媒液滴径dcとウィスカ-径dwの間には、dc/dw=2の関係があり、触媒液滴径の制御によりウィスカ-径の制御が可能である。2.同一基板上に成長したウィスカ-の径dwと長さlwの間には、duXlw=1定の関係が得られ、触媒液滴表面への原料ガスの物質移動律速を仮定した際に得られる相関と一致した。3.析出部の基板の材質はグラファイト、Sic、アルミナ、AlNのうちでは、Sic上に良好な生成物が得られた。これらについて化学工学会第56年会(1991年3月東京)で発表する。
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