1990 Fiscal Year Annual Research Report
キャピタリ-モデルを用いた低濃度アルコ-ル水溶液のためのパ-ベ-パレ-ション分離
Project/Area Number |
02650710
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
稲垣 訓宏 静岡大学, 工学部, 教授 (30022015)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田坂 茂 静岡大学, 工学部, 助教授 (10134793)
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Keywords | プラズマグラフト / パ-ベ-パレチション / 分離膜 / アルコ-ル水溶液 / 疎水性 / セパレ-ションファクタ- / 多孔質膜 / 接触角 |
Research Abstract |
本研究は、アルコ-ル水溶液中のアルコ-ル分子が疎水表面上に吸着する現象を利用し、低濃度アルコ-ル水溶液からアルコ-ルを濃縮できるパ-ベ-パレ-ション膜を開発することを目的としている。本年度に計画した具体的テ-マは、「1.疎水性でかつ多孔質な高分子膜を作成する方法を開発すること」「2.作成した高分子膜のアルコ-ル分離特性を検討すること」であり、その成果を次のようにまとめることができる。 1.疎水性でかつ多孔質な高分子膜の作成法の開発 アルゴン照射による膜表面へのラジカルサイトの作成、そのラジカルサイトからグリシジルアクリレ-トのグラフト重合が可能であることを確認し、プラズマグラフト法が本研究の目的とする疎水性でかつ多孔質な高分子膜の作成法として最適であることを確認した。この成果は、Polymer Bulletinに投稿した。この結論もとに、アクリル酸6フッ化イソプロピルエステル(AFIpA)をプラズマグラフトした疎水性多孔質ポリプロピレン膜が作成できた。その疎水性を水に接触角で評価すると、75度である。 2.作成した高分子膜のアルコ-ル分離特性を検討 AFIpをプラズマグラフトした疎水性多孔質ポリプロピレン膜は、アルコ-ルの選択分離の性能を示した。その分離性能であるセバレ-ションファクタ-は、14.4(26%アルコ-ル)となり、膜を通過させるだけで26%のアルコ-ル水溶液が約83%まで濃縮が可能である膜の開発に成功した。この成果は、この5月末の高分子学会年会において発表する予定である。以上、本年度の研究成果は、研究目標はほぼ全て達成した段階にある。来年度は、アルコ-ル分離できる範囲をさらに低濃度にまで拡張すること、流出量を増大させることが研究目標となる。
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