1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02660028
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Research Institution | Faculty of Textile Science and Technologe, Shishu University |
Principal Investigator |
矢嶋 征雄 信州大学, 繊維学部, 助手 (50109203)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
押金 健吾 信州大学, 繊維学部, 助教授 (40021159)
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Keywords | 木本植物 / シナノグルミ / 染色体 / 核型 / 分染 |
Research Abstract |
シナノグルミの染色体に対し,C,QおよびNーband法について検討してきたが,Cーband法(BSG法)は5%Ba(OH)_250℃25〜30分処理でバンドの発生が認められたが,染色体の輪郭が不明暸となり,個々の染色体の特定はできなかった。Qーband法についてはQinacrine mastard,Qinacrine hydrochlorideおよび33258Hoechstの3種類の蛍光色素について検討した。その結果,風乾したスライドグラスにQuinacrine hydrochloride 50μg/mlと10分処理し,さらに33258Hoechst 50μg/mlを10分処理することによりバンドの発生が認められた。しかしあいにくよく染色体の広がった核板が得られず,染色体の分類はできなかった。Nーband法(AgーI法)は仁形成部を特異的に染めだす方法として開発され,多くの動植物の染色体で仁形部の推定が試みられている。クルミ染色体において,AgーI法がたゞちに仁形成部を特異的に分染するかは解らないが,30%AgNO_3で約55℃の温室で9分間処理してから,2%Giemsa液で5秒間染色することにより,個々の染色体を同一平面として観察することができた。また,染色体数の算定が容易となり,一部ではあるが,I形や亜鈴形,角形といった特微的な染色体を見い出すことができた。そして,このことがシナノグルミ染色体の分類・同定の指標になりうる可能性が示唆された。
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