1991 Fiscal Year Annual Research Report
自家不和合性アブラナ科野菜の体細胞と花粉細胞の培養及びそれぞれの細胞融合
Project/Area Number |
02660032
|
Research Institution | Okayama University, Department of Agriculture |
Principal Investigator |
松原 幸子 岡山大学, 農学部, 教授 (90026378)
|
Keywords | アブラナ科植物 / プロトプラスト培養 / 電気融合のための融合条件 |
Research Abstract |
前年度までにアブラナ科17種類の植物のプロトプラスト培養の条件が大体検討出来たので、本年は電気融合のためのAC電場と持続時間やDCパルス電圧と回数について検討した。 1.カイラン、ダイコン、キャベツ、ハクサイ葉肉プロトプラストの電気融合 (1)電気融合の為のAC電場と持続時間の決定 植物プロトプラストの電気融合を行うには、まずパ-ルチェインが形成して接着が起こらねばならず、そのためにはAC電場と持続時間を決定する必要がある。上記の4種類の植物について検討したところ、低電圧になるほどパ-ルチェイン形成に時がかかり、高電圧ほど処理時間が短くて済む。2ないし3プロトプラスト接着が50%を占める条件は、カイランは10Vー75秒〜25Vー15秒、ダイコンでは10Vー19秒〜25Vー5秒、キャベツでは10Vー43秒〜25Vー15秒、ハクサイでは10Vー33秒〜25Vー8秒と植物の種類により異なった。電圧は10V以下でも25V以上でもプロトプラストに負担がかかった。 (2)Caイオンの効果 電気融合中の培地中のCaイオンの濃度が融合に及ぼす影響をみたところ、1mM添加培地が最も有効で、それ以上では培地が発熱し、以下ではプロトプラストが破壊された。 (3)融合のためのDCパルス電圧と回数 接着したプロトプラストが融合するためのDCパルス電圧と回数は、500Vパルス回数2回が最適条であった。 単離した花粉の培養では、2〜3回の細胞分裂しか得られなかった。
|
-
[Publications] 松原 幸子,千田 泰義,村上 賢治: "アブラナ科植物の胚軸からのカルス形成及び植物体再分化" 園芸学会雑誌別冊. 60. 212-213 (1991)
-
[Publications] Hegazi,H.Hegazi;Sachiko Matsubara: "Callus formation and plant regeneration from protoplast derived from cotyledons and hypocotyls of radish(Raphanus Sativus L.)and other cruciferous plants." J.Japan.Soc.Hort.Sci. 61. (1992)