1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02660033
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
桝田 正治 岡山大学, 農学部, 助教授 (90026617)
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Keywords | トマト / 養分吸収 / 養分輸送濃度 / 日周期性 / 重窒素 |
Research Abstract |
トマトの夜間(18:00ー6:00)の生体重増加は昼間のそれの4〜5倍を示しながら推移していくことが分かった。夜間の増体は水と養分の取り込みと蒸散による放出ならびに呼吸による光合成産物の消費、それらの収支として理解される。根から地上部への養分輸送濃度は、Mg,Ca濃度が前夜半に若干高まり、リンが真夜中に著しく高まる。NO_3ーNは1日中大きな変化はない。これら成分の濃度パタ-ンとは異なり、カリは明け方から正午にかけて著しく上昇し、1日のうちリンとカリは全く逆の濃度パタ-ンで推移していることが分かった。光強度が低下すると、リンを除いてどの成分も濃度が低下し、この低下は午前0時になっても回復しなかった。リンは特異的で光強度が低下すると濃度が高くなった。また、カリを除いては苗齢が進むほど輸送成分濃度は低下することが分かった。養分吸収濃度(成分吸収量/水吸収量)は夜間の方がどの成分も高くなる事は分かっているが、リンを除いてそれが輸送濃度に反映しないことは吸収と移行にかなりのTimeーlagがあるのではないかと考えられた。 そこで、 ^<15>Nを用いてこの点を調べたところ、夜間吸収窒素の明け方における占有率は16.4%で時間の経過につれて徐々に低下し、12:00で7.05%,18:00で6.10%となった。1日後でも5.7%と吸収と移行のTimeーlagはかなり長いことが明らかとなった。夜間の吸水はわずかであるが窒素は昼間の5割も吸収される。 人工育成器は8月納入で、照度17000lux、気温25℃、相対湿度70%で発芽段階からトマトを栽培したところ、12時間暗期(12時間明期)では1か月経過しても、よく生育するが、連続照明では10日後には既に葉の展開が異常を示し、葉色は薄くアントシアンの発現が著しく20日後には殆ど生育不能となった。しかし、根の生長は連続照明の方が良く、光合成産物の地上部と地下部への分配に偏りの生じる事が示唆された。
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Research Products
(1 results)