1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02660041
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
阿久津 克己 茨城大学, 農学部, 助教授 (10151002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日比 忠明 農業生物資源研究所, 機能開発部, 室長
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Keywords | Botrytis cinerea / ベンズイミダゾ-ル系薬剤耐性 / RFLP法 / パルスフィ-ルド電気泳動 / 染色体解析 / チュ-ブリン変異遺伝子 |
Research Abstract |
1.灰色かび病菌(Botrytis cinerea)のベンズイミダゾ-ル系薬剤耐性菌株IHESー3(無糸核分裂)とIHESー4(有糸核分裂),および感性菌株IPCRー1(有糸核分裂)のゲノムDNAをそれぞれ抽出し,制限酵素(Eco RI,Eco RV,Hind III,Bam HI,Sac I)で処理してRFLP法解析した結果,耐性菌株に特異的に存在,もしくは増幅しているDNA断片は認められなかった。次に3菌株のミトコンドリア分画から,それぞれプラスミドDNA(2.4kb)が見出だされ,その分離量は耐性値と正の相関を示した。 2.耐性菌株IHESー3とIHESー4,および感性菌株IPCRー1について,パルスフィ-ルド電気泳動装置を用いて染色体解析を試みた。既に報告されている数種の糸状菌(S.cerevisiae,A.nidulans,Neurosporaなど)の泳動条件では,全くバンドは分離されなかった。そこで,次の点を改変することで5本のゲノムDNAバンドを分離できた。(1)ノボザイム使用によるプロトプラスト分離量の大幅増加(2)アガロ-スの種類,ゲル濃度,泳動時間,泳動電圧およびパルスタイムの変動。しかし,光顕下で観察される染色体数に比べて,分離バンド数が少ないことから,さらに泳動条件の検討が必要である。 3.耐性菌株IHESー4および感性菌株IPCRー1では,5本のゲノムDNAバンドが同様に分離されたが,耐性菌株IHESー3では,5本のゲノムDNAバンドのほかに分子量の小さなDNAバンド(〈1Mb)が1本検出された。この特異的なDNAバンドと耐性との関係ついて検討中である。 4.ベノミル耐性Saccharomyces cerevisiaeのチュ-ブリン変異遺伝子をプロ-ブとして,B.cinerea耐性菌株よりチュ-ブリン変異遺伝子を検索した結果,耐性菌株IHESー4で検出され,クロ-ニングに成功した。
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[Publications] 入野 達之: "The characteristics of induced dicarboximide fungicideーresistant strains conferred by postーculture in filtrates of the resistant strains of Botrytis cinerea" Annals Phytopathological Society of Japan. 57. 17-23 (1991)
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[Publications] 阿久津 克己: "Dicarboximide resistance of Botrytis cinerea conferred to Botrytis tulipae by contactーculture" Annals Phytopathological Society of Japan.
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[Publications] 阿久津 克己: "Dicarboximide resistance of Saccharomyces cerevisiae induced with filtrates of the resistant strain of Botrytis cinerea" Applied and Environmental Microbiology.