1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02660069
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
高木 浩 宮崎大学, 農学部, 教授 (90094078)
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Keywords | 亜鉛欠乏 / カルス |
Research Abstract |
高等植物における亜鉛栄養に関する高木の研究結果によれば,亜鉛の生理機能は,IAA生合成系への関与であるとする従来の考え方では説明がつかないことが分って来た。亜鉛は,むしろ,IAAの生理活性発現の場に直接関与しているのではないかと推定している。もし,この考え方が正しいとすれば,一定濃度のオ-キシン下で,誘導形成されるカルスの量は,亜鉛量とほぼ正比例関係がある筈である。さらに,カルス化(脱分化)【tautomer】再分化の両過程は,亜鉛の添加・排除によって制御され得る可能性がある。これらの考え方を実証しようとするのが本研究の目的である。 種々な亜鉛濃度からなるMS培地を用いて,ニンジン,ジャガイモ,キャベツ,チガヤなどの各組織からカルス誘導を試みた。 さらに,種々な亜鉛濃度からなる継代用の液体培養によって,カルスの増殖と亜鉛との関係を調べた。 それらの実験結果によると,亜鉛添加の有無とカルスの形成との間には関連が認められた。すなわち,高濃度オ-キシン下で誘導形成されるカルスの量は,添加亜鉛量とほぼ正比例関係があった。 しかし,チガヤの茎頂を用いた実験では,かならずしも,カルスの量と添加亜鉛量の間に一定な関係は認められなかった。この原因として,チガヤ茎頂の部位における亜鉛濃度が葉部や根部に比較して,極めて高い(770〜1.100ppm)ことが考えられ,この点に関してさらに詳細な実験を続けている。 なお,備品として購入した高性能なエバポレ-タ-はインド-ル化合物の抽出・定性,定量操作において極めて有効な機器として利用している。
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