1991 Fiscal Year Annual Research Report
ミツバチのショ糖方解酵素のアロステリック性に関する反応速度論的解析
Project/Area Number |
02660074
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
千葉 誠哉 北海道大学, 農学部, 教授 (30001449)
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Keywords | ミツバチ / αーグルコンダ-ゼ / アロステリック作用 / 協同性 |
Research Abstract |
(1)ミツバチ成虫から精製した三種のαーグルコシダ-ゼ(HbGーI,II,III)のうち、HbGーIIIの基質特異性を解析した。 (2)各αーグルコシダ-ゼについて様々な手法で解析を行なったところ、HbGーIおよびHbGーIIがアロステリックな挙動を示すことが認められた。両者は“履歴酵素"(秒、分単位の緩慢な立体構造変化を触媒時に生ずる酵素)である確認を得た。HbGーIIIはミカエリスーメンテン型の酵素であった。 (3)HbGーIIおよびHbGーIIIのサブサイト親和力を算出し、既に報告したHbGーIを含む三者間で比較した。いずれも第4サブサイト以降の親和力が負の値を示した。この傾向はHbGーIIIが最も顕著であった。 (4)HbGーIIIおよびハチミツαーグルコシダ-ゼのN末端側よりそれぞれ約35および25アミノ酸残基の配列を決定した。両配列は高い相同性を示すが、同一のものではなかった。HbGーIおよびHbGーIIIはN末端αアミノ基が修飾されていた。一方、親和標識試薬を用いてHbGーIの触媒部位の一次構造を解析した。 (5)諸性質、基質特異性および免疫化学的性質からハチミツαーグルコシダ-ゼはHbGーIIIと同一の酵素であることが判明した。HbGーIIIは下咽頭腺に存在することからミツバチが採集する花蜜中に分泌され、その主成分である蔗糖の分解を行うことにより、ハチミツ生成に直接関与する酵素であることが示唆された。両酵素は蔗糖に対し、高い分解活性を有している。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] A.Kimura: "Evidence for A Single Catalytic Site of Honeybee αーglucosidase I by Chemical modification with Diethylpyrocarbonate" J.Biochem.111. (1992)
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[Publications] A.Kita: "Substrate Specificity and Subsite Affinifies of Crystalline αーglucosidase from Asopergillus niger" Agric.Biol.Chem.55. 2327-2335 (1991)
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[Publications] H.Kawagishi: "A Lectin from mushroom aurirella" Agric.Biol.Chem.55. 2485-1991 (1991)
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[Publications] T.Oguma: "Purification and Substrate Specificity of αーglucosidase from Paecilomyes narioti" Biosci.Biotech.Biochem.58. (1992)