1990 Fiscal Year Annual Research Report
糸状菌のαーガラクトシダ-ゼcDNAのクロ-ニングと1次構造の推定
Project/Area Number |
02660078
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
小林 秀行 筑波大学, 応用生物化学系, 助手 (00111360)
|
Keywords | αーガラクトシダ-ゼ / Penicillium purpurogenum / Mortierella vinacea / 一次構造 / 塩基配列 / クロ-ニング |
Research Abstract |
Penicillium purpurogenumのαーガラクトシダ-ゼのクロ-ニングの為に、精製酵素のN末端配列を決定した。それを基にオリゴヌクレオチドを合成したが,プロ-ブとして適した配列が見出せず、クロ-ニングに因難を伴う事が予想された。一方,糸状菌Mortierella vinaceaのαーガラクトシダ-ゼのN末端配列を決定したところ,QMGWNTなるオリゴヌクレオチドプロ-ブに適した配列が見出されたので,まずM.vinaceaのαーガラクトシダ-ゼのcDNAクロ-ニングを行い,次いでそのcDNAをプロ-ブとして,P.purpurogenum αーガラクトシダ-ゼとクロ-ニングを行うこととした。まず,M.vinaceaの培養菌体から全RNAを調製し,次いでオリゴ(dT)ーセルロ-スカラムによりmRNA画分を得た。cDNA合成後,λgt10に挿入しインビトロパッケ-ジングし,オリゴヌクレオチドプロ-ブを用してプラ-クハイブリダイゼ-ションを行った。約3万個のプラ-クの中から1個のポジティブクロ-ンが得られた。このcDNAの大きさ(1.2Kbp)は,糖鎖を除去した酵素の分子量4〜4.5万をコ-ドするのに十分な大きさであったので,その塩基配列の決定を試みた。現在までに約50%(600bp)の塩基配列が明らかになっている。その結果、本cDNAはαーガラクトシダ-ゼのN末端配列を含み,5'側に転写開始点と思われるMetに続く疎水性度の高いシグナル配列様の配列が存在した。塩基配列から推定される一次構造をヒト及び酵母のαーガラクトシダ-ゼと比較したところ,N端部分にホモロジ-の高い領域(TPーMGWーW,GーKDーGYY,DDLW)がみられ,これらの領域が活性に関っている事が示唆された。また,3'領域には,AATAAAのポリA付加シグナル及びポリA鎖が存在した。本cDNAがM.vinaceaのαーガラクトシダ-ゼのcDNAである事が明らかとなったので,現在塩基配列の解明及び,P.purpurogenum αーガラクトシダ-ゼcDNAライブラリ-の本cDNAを用いたスクリ-ニングを行っている。
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] H.Kobayashi,T.Sato,K.Kasamo,I.Kusakabe and K.Murakami: "Cloning and Sequence Analysis of Fungal αーGalactosidases" Agric.Biol.Ehem.