1991 Fiscal Year Annual Research Report
植物培養細胞における葉緑体分化制御因子の分子生物学的解析
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02660092
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐藤 文彦 京都大学, 農学部, 助教授 (10127087)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 康之 京都大学, 農学部, 教授 (50026415)
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Keywords | 葉緑体 / 核様体 / 緑色培養細胞 / DNA結合性タンパク質 / N末端アミノ酸配列 / サウスウエスタンハイブリダイゼ-ション / 葉緑体分化 / 転写制御 |
Research Abstract |
昨年度部分的に決定した葉緑体核様体に存在するDNA結合性タンパク質のN末端アミノ酸配列情報はcDNAクロ-ニングには不十分であったため、大量の葉緑体核様体の調製とそのDNA結合性タンパク質のアミノ酸配列の決定を試みた。この過程で緑葉より調製した葉緑体には核由来と考えられるDNA結合性タンパク質(ヒストン)の混入があることが判明した。そこで培養細胞、緑葉の葉緑体核様体への核タンパク質の混入を慎重に検討した結果、培養細胞からはきわめて純度の高い(核タンパク質の混入の少ない)葉緑体が得られるものの、緑葉の場合には因難であることが判明し、以降培養細胞葉緑体を中心に研究を進めることとした。 大量に核様体タンパク質を得るために培養細胞の粗葉緑体画分を直接2次元電気泳動し、サウスウエスタン法により同定するという方法を開発した。この方法により培養細胞の葉緑体からDNA結合能を持つ4lkDのタンパク質を直接的に検出するとともに、N末端アミノ酸配列を決定するに十分量のタンパク質を精製できた。この方法により精製したDNA結合性タンパク質をPVDF膜に転写し、気相式プロテインシ-ケンサ-によりそのN末端アミノ酸を20残基決定したところ、本タンパク質は比較的塩基性アミノ酸に富み、酵母の転写活性化タンパク質PDR4と約60%のホモロジ-を有することが分かった。しかし、決定された配列情報はcDNAをクロ-ニングするには不十分であったため、さらにキモトリプシンで限定分解しペプチド断片をえるとともにそのアミノ酸配列を決定し、培養細胞cDNAライブラリ-からのクロ-ニングを行っている。なお培養細胞から精製した核様体は転写活性を示すが、その一方DNA複製活性は示さないことが明らかになった。
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[Publications] N.Koizumi et al.: "Sequence analysis of cDNA encoding phosphoenolphruvate carboxylase from cultures tobacco cells" Plant Mol.Biology Plant M. 17. 535-593 (53)
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[Publications] F.Sato et al.: "Photoautotrophic cultured plant cells:A novel system to survey new photosynthetic electron transport inhibitors" Z.Naturforschung. 46c. 563-568 (1991)
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[Publications] S.Takada et al.: "Characterization of polypeptides that accumulate in cultured Nicotiana tabacum cells" Plant Cell Physiol.,. 31. 215-221 (1990)
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[Publications] F.Sato et al.: "Synthesis of Plant triosephosphate isomerase in Eschericha coli" Agric.Biol.Chem.54. 2189-2191 (1990)