1990 Fiscal Year Annual Research Report
消化管ホルモン産生細胞の管腔側表面に存在する食品成分受容機構の解明
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02660093
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伏木 亨 京都大学, 農学部, 助教授 (20135544)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 和生 京都大学, 農学部, 助手 (80213148)
河田 照雄 京都大学, 農学部, 助手 (10177701)
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Keywords | 消化管ホルモン産生細胞 / コレシストキニン / 食物刺激 / ホルモン分泌 |
Research Abstract |
消化管ホルモンは、食物の摂取によって、主に小腸から血液中に分泌され、食物の消化吸収を促進するばかりでなく、体全体の代謝、食欲等にも大きな影響を及ぼす重要な信号物質である。コレシストキニンの膵酵素分泌作用とペプチドYYによるその抑制、セクレチンの膵液分泌亢進、ガストリンの胃液分泌とGIPによる抑制、モチリンなど消化管の運動に関与するものなどその数は数十種類に達する。しかしそれらのホルモンが食物成分のうちの何によって分泌刺激を受け、またその刺激受容機構はどのようなものであるのかはあまりよくわかっていない。本年度の研究においては、ラット小腸の空腸部分から粘膜を掻きとり、コラゲナ-ゼ、ディスパ-ゼ処理で細胞を分散させたのち、35%パ-コ-ルを用いた密度勾配遠心分離法で、消化管ホルモン産生細胞と、一般の吸収細胞とに分離した。ホルモン産生細胞として小腸上部に存在するガストリン産生細胞を指標にしてラジオイムノアッセイを行った。ホルモン産生細胞は、吸収細胞に比べ非常に少数しか存在せず、一般に小腸絨毛の間充織に深く埋もれている。しかし、吸収細胞よりも形が大きく、密度が大であった。分離したホルモン産生細胞画分のなかには、多くの種類のホルモン産生細胞が含まれていた。ホルモン産生細胞の寿命は吸収細胞のそれに比べ著しく長いが、生理的な活性を維持していることが重要であるため、細胞の極性などを今後考慮する必要があろう。また、今後消化管ホルモン産生細胞とラット癌細胞とのハイブリド-マの作成を試みる予定である。
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