1991 Fiscal Year Annual Research Report
消化管ホルモン産生細胞の管腔側表面に存在する食品成分受容機構の解明
Project/Area Number |
02660093
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伏木 亨 京都大学, 農学部, 助教授 (20135544)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 和生 京都大学, 農学部, 助手 (80213148)
河田 照雄 京都大学, 農学部, 助手 (10177701)
|
Keywords | GIP / 消化管ホルモン / グルコ-スセンサ- / 甘味 / ギムネマ酸 / 十二指腸 / 門脈 / グルコ-ス |
Research Abstract |
消化管ホルモンは、摂取した食物の、消化・吸収ならび代謝を円滑に行ううえで非常に重要なものであるが、食物成分がどのような生化学的で消化管に作用して消化管ホルモンを分泌させるのかについてはほとんど明らかにはなっていない。本研究においては、ラットの消化管に存在する消化管ホルモンのうち、特にガストリックインヒビトリ-ペプチド(GIP)に着目した。 GIPは糖質の刺激に各種糖類、糖吸収代謝阻害剤などを用いて、GIPの放出機構を検討した。 ウィスタ-系雄ラット空腸内を生理食塩で30分間潅流した(0.5ml/kg/min)。潅流開始10分後からグルコ-スを20分間潅流した。潅流開始後門脈血を採取し、GIPをRIAで測定した。糖の吸収・代謝阻害剤は生理食塩水の中に溶かし、実験中潅流し続けた。GIP放出量は投与したグルコ-ス量に応じて増加した。グルコ-ス以外にガラクト-ス、マルト-スもGIPを放出したが、フルクト-スにはGIP放出作用がなかった。ラクト-ス、グリシン、ステビオシドなど甘味関連物質はGIPを放出せず、これら甘味の受容よりもGIPの放出のほうが特異性が高いことが示唆された。糖吸収阻害剤フロリジンは、5mMの濃度で、グルコ-スの取り込みを阻害したが、GIPの放出をも阻害した。糖輪送担体の阻害剤サイトカラシンB(50ug/ml)はGIP放出を阻害しなかった。吸収されるが、代謝されない3-oーメチルグルコ-スはGIPを放出しなかった。グルコ-スの代謝阻害剤であるマンノヘブツロ-ス(4mM)はGIP放出を阻害しなかった。小腸管腔の神経系グルコ-スセンサ-を阻害する局所麻酔剤はともにGIP放出に影響を与えなかった。これらの結果から、グルコ-スはK細胞表面でGIP放出のためのグルコ-ス受容体と結合することが示唆される。
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] Tohru Fushiki,Ayako Kajima,Toshiaki Imoto,Kazuo Inoue,Etsuro Sugimoto: "Preterential inhibition of gastric inhibitory polypeptide sevetion cansed by an exhad" Jownal of Nutrition.