1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02660100
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
船津 軍喜 九州大学, 農学部, 教授 (40038196)
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Keywords | 抗ウィルス性蛋白質 / リボソ-ム不活化蛋白質 / キチナ-ゼ / 蛋白質の一次構造 / 蛋白質の化学修飾 |
Research Abstract |
1.2,3種の防護蛋白質の分離とアミノ酸配列 各蛋白質をCNBrまたは各種プロテア-ゼで断片化し,得られたペプチドを逆相HPLCで分離・精製した後、アミノ酸配列を調べ、それらのつながりを調べることにより、全アミノ酸配列を決定した。 (1)抗ウィルス性蛋白質:アメリカヤマゴボウからのPAPーS及びヘチマ種子からのluffinーbの全アミノ酸配列及び糖構造を決定した。いずれも、250残基のアミノ酸から成り、3箇所に存在するAsnーXーThr/Ser配列のAsn残基に結合する糖は、いずれもGlcNAcであることがわかった。 (2)抗かび蛋白質:らい麦種子から3種のキチナ-ゼRCーa,ーb,ーcを分離し,それぞれ36,28,28kDaで,等電点9.7,10.0,10.2であることを明らかにした。これらのうち、RCーcの全アミノ酸配列及びRCーaの部分アミノ酸配列を決定した結果、RCーcのNー末端はRCーaの50番目に相当し、両者は93%の相同性を有することがわかった。 2.構造・活性相関 防護蛋白質の構造・活性相関を解明するため、種々の化学修飾の活性に及ぼす影響を調べ、活性に関与するアミノ酸残基を同定した。 (1).ヘチマ種子リボソ-ム不活化蛋白質luffinーa:His,Tyr,Lys残基及びCOOH基を修飾すると著しく活性が低下した。修飾残基として、Hisー140、Tyrー165、Lysー231が同定され、これらが活性に関与することが示唆された。 (2).アメリカヤマゴボウ種子抗ウィルス性蛋白質PAPーS:Arg,Tyr残基及びCOOH基の修飾により、それぞれ2.2、6、3残基修飾され、活性は8、9、6%に低下した。また、修飾Arg残基としてArgー67/68,ー240が同定された。 (3).ニガウリ種子リボソ-ム不活化蛋白質momordinーa:His、Tyr、Lys残基及びCOOH基をそれぞれ、1、3.6、2.5及び13残基修飾すると、活性は10、10、2.5及び13%に低下し、これらの活性への関与が示唆された。
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[Publications] SungーSil Kung: "The complete amino acid sequence of antiviral protein from the reeds of pokeweed (Phytolacca americana)" Agric.Biol.Chem.54. 3301-3318 (1990)
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[Publications] M.Rafiqul Islam: "Complete amino acid sequence of luffinーb,a ribosomeーinactivating protein from sponge gourd(Luffa cylindrica)seeds" Agric.Biol.Chem.55. 229-238 (1991)
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[Publications] イスラム・ラフィクル: "ヘチマ種子リボソ-ム不活化蛋白質luffinーaの活性アミノ酸残基の検索" 生化学. 62. 767 (1990)
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[Publications] 浅田 典明: "アメリカヤマゴボウ種子抗ウィルス蛋白質の活性Arg残基の同定" 日農化誌(講演抄録). 65. 282 (1991)
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[Publications] 山上 健: "ライ麦種子キチナ-ゼ(RCーc)の全アミノ酸配列" 1991年度日本農芸化学会大会(京都)講演要旨集. (1991)
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[Publications] 南 雄二: "ニガウリ及びアメリカヤマゴボウ種子のリボソ-ム不活化蛋白質momordinーa及びPAPーSの活性アミノ酸残基の検索" 1991年度日本農芸化学会大会(京都)講演要旨集. (1991)