1991 Fiscal Year Annual Research Report
グリコシダ-ゼの縮合・転移反応を利用したオリゴ糖の合成
Project/Area Number |
02660103
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
神山 由 筑波大学, 応用生物化学系, 助教授 (60015667)
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Keywords | βーキシロシダ-ゼ / キシロオリゴ糖 / 縮合・転移反応 / 反応平衡 / 加水分解 |
Research Abstract |
加水分解酵素であるβーキシロシダ-ゼを用いてキシロ-スよりキシロオリゴ糖を合成することを試みている。また、従来と異なり、加水分解酵素の基質特異性を縮合反応の面から解析することを試みている。そのために今年度は、酵素の精制を行い、また、前年度からのつづきであるが、酵素反応と比較するために酸触媒による縮合反応について検討を行った。これらの研究の過程で酵素の活性測定法を検討することが必要となり、これについても検討した。結果は、以下のようである。 1.酵素の精製 Aspergillus nigarとMalbranchea pulchella由来のβーxylosidaseの精製を、硫安塩析、DEAEーTOYOPERAL650M、Hydroxyapatiteなどを用いて行っているが、まだ完全に単一の酵素にまで精製されていない。 2.グルコ-スCーテストによるキシロ-スの定量 従来から合成基質を用いて酵素の活性を測定しているが、βーキシロシダ-ゼの場合はキシロビオ-スを用いるのが望ましい。そのため、グルコ-スCーテスト法を検討改良し、活性を測定することができた。その結果、M.pulchellaの酵素は合成基質分解活性とキシロビオ-ス分野活性に大きな相違があることが明らかになった。なお、A.nigarの粗酵素液には、Cーテスト阻害物質が存在することも明らかになった。 3.キシロ-スの酸触媒による縮合反応および加水分解反応 前年度からの継続であるが、温度60〜80℃、1N硫酸の条件で反応を行った。キシロ2糖9種類について調べた結果、グルコ2糖の場合と異なり、β結合の方が加水分解されやすいことが明らかになった。また、平衡定数から求めた△Gは+2〜+12(kJ/mol)、△Hは-7〜-15(kJ/mol)となった。 縮合反応により生成する糖量は、αα-1,1を例外として、加水分解速度の速い糖程少ない傾向にあった。
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[Publications] Yoshie IIzuka:Hirofumi SHINOYAMA;Yoshi KAMIYAMA;Tsuneo YASUI: "The Condensation Reaction of Aspergillus niger Crude βーXylosidase Using Xylose" Bioscience,Biotechnology,Biochemistry. 56. 331-332 (1992)
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[Publications] Yosie IIZUKA;Yoshi KAMIYAMA;Tsuneo YASUI: "The Regioselectivity of Various kinds of βーXylosidases on the Condensation Reaction of Xylose" Bioscience,Biotechnology,Biochemistry.