1990 Fiscal Year Annual Research Report
ジャガイモYウイルスの外被タンパク質遺伝子によるジャガイモの形質転換
Project/Area Number |
02660107
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
日高 真誠 東京大学, 農学部, 助手 (50183918)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
魚住 武司 東京大学, 農学部, 教授 (40011978)
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Keywords | 植物ウイルス / PVY / タバコ / 形質転換植物 / 外被タンパク |
Research Abstract |
1.ジャガイモYウイルス(PVY)の外被タンパク(CP)を発現する形質転換タバコの作出の試み PVY黄斑えそ系統(PVYーT)のCPのN末端から6番目のアミノ酸以降をコ-ドするcDNA断片をpUC19のmulticloning siteに挿入してSphIサイトのATGを翻訳開始点とする改変型CP遺伝子を作出し、これとpBI121上のGUS遺伝子を置換することで植物体中で発現可能なCP遺伝子を持つAgrobacterium binary vector system用のプラスミドを構築した。このプラスミドを持つA.tumefaciensLBA4404とタバコ(Nicotiana tabacum cv.Petit Havana line SR1)の葉の切片とを混合培養し、その後この切片から植物体を再生させたところ、50μg/mlのカナマイシンを含む培地上で旺盛に生育する8株の再生植物体(RO)を得た。このROに対しSouthern blottingとWestern blottingによりCP遺伝子の組込みとCPの発現を検討したが、明瞭な結果は得られなかった。またROの種子から発芽したR1植物体中のCPの発現をELISAで解析したが、非形質転換株との有為な差は認められなかった。現在、再度形質転換を行う実験を繰り返している。 2.大腸菌によるPVY外被タンパクの発現 PVY普通系統(PVYーO)のCPをコ-ドするcDNA断片をpUC18に挿入し、βーgalactosidaseの翻訳開始点を利用してCPを発現するプラスミドを構築した。これを大腸菌(E.coli HB101)に導入しIPTGで発現を誘導すると、大量のCPが不溶性のinclusion bodyとして蓄積した。このinclusion bodyは強いtrypsin耐性を示したが、これを8M尿素で処理した後限外ろ過により尿素を除去したところ、trypsinで消化可能な可溶性タンパクとしてCPを回収できることが確認できた。現在この可溶化CPのreーfolding条件を検討中である。
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