1990 Fiscal Year Annual Research Report
Z・mobilis表層特異脂質(ホッパン化合物)のアルコ-ル発酵における役割
Project/Area Number |
02660112
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
田原 康孝 静岡大学, 農学部, 教授 (30022320)
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Keywords | Zymomonas mobilis / グルクロン酸セラミド / ホッパノイド / テトラヒドロキシホッパン / グルコサミンTHBH / エ-テル型THBH / 塩耐性 |
Research Abstract |
1.グルクロン酸含有セラミドの単離と構造解析:Z・mobilisの表層脂質画分から新らたにスフィンゴ糖脂質の一つ(グルクロン酸セラミド)を単離し,その構造は,Nー2ーpalmitoyl dihydroxyhexadecane 1ーglucuronic acid であることを明らかにした。 2.ホッパノイド化合物およびスフィンゴ脂質の塩耐性における役割:Z・mobilisの塩耐性優秀株(B69ー157)を,0.5%,1.0%,1.5%,2%Kcl含有培地で生育させ,生育菌体のホッパノイド化合物(テトラヒドロキシホッパン(THBH),グルコサミンTHBH,エ-テル型THBH)を液体クロマトグラフィ-で分別定量することによって,塩耐性とこれらホッパノイドとの関係を明らかにしようとした。Kcl高濃度培地で生育した菌体のTHBHはKcl無添加の菌体に比べて著しく増加した。Kcl高濃度培地生育菌体のグルコサミンTHBHとエ-テル型THBHは,Kcl無添加菌体に比べて減少した。既報のZ・mobilis THBH 欠損変異株は,グルコサミンおよびエ-テル型THBHの含有量が野生株のそれらとほとんど変らないにもかかわらず,塩耐性は著しく減少した。これらの結果は,Z・mobilisの塩耐性にはTHBHの存在が重要であることを示唆している。塩耐性とスフィンゴ脂質(遊離セラミドとグルクロン酸セラミド)との関係も追求した。両脂質はともにKclの濃度が高くなるにつれて減少する傾向にあった。 次年度は,これら表層特異脂質と本菌のアルコ-ル耐性との関係およびホッパノイド化合物の生合成経路を解析するつもりである。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Y.Tahara and M.Kawazu: "Isolation of glucuronic acidーcontaining ceramide from Zymomonas mobilis" Agricultural and Biological Chemistry. 55. (1991)
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[Publications] Y.Tahara and M.Kawazu: "Effect of salt concentration on hopanoids and sphingolipids of Zymomonas mobilis" Agricultural and Biological Chemistry. 55. (1991)