1990 Fiscal Year Annual Research Report
微生物の生産する新規なヒダントイナ-ゼ類を用いる光学活性アミノ酸類の生産
Project/Area Number |
02660113
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
清水 昌 京都大学, 農学部, 助教授 (70093250)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長沢 透 京都大学, 農学部, 助手 (60115904)
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Keywords | ヒダントイナ-ゼ / ジヒドロピリミジナ-ゼ / Nーカルバモイルアミノ酸 / ヒダントイン |
Research Abstract |
(1)ATP依存性ヒダントイナ-ゼの利用:土壌より分離したNーメチルヒダントイン資化性細菌Pseudomonas putida77の生産する新規なヒダントイナ-ゼを発見した。本酵素を均一に精製し、L体基質のみを特異的に加水分解すること、加水分解反応にはATPからADPへの加水分解反応が共役することおよびMg^<2+>が本反応に必須であることを明らかにした。 (2)環状ラクタム水解酵素:Pseudomonas属細菌を中心にδーバレロラクタムを資化分解する細菌を多数分離した。分離菌の多くはδーバレロラクタム加水分解酵素を誘導的に生産することを発見した。本酵素はδーバレロラクタム以外に,ヒダントイン類にもよく作用した。この反応では,D体ヒダントイン類のみが基質となること,反応はATP,Mg^<2+>に依存しないことを認めた。本酵素は、これまでに我々が報告してきたDーヒダントイナ-ゼ(ジヒドロピリミジナ-ゼ)とは異っており,新しい不斉水解反応の触媒として利用できる。 (3)Lーヒダントイナ-ゼ:Arthrobacter属細菌がATP,Mg^<2+>非依存性のヒダントイン水解酵素を生産することを認めた。 上記の3つの酵素反応について,酵素の生産条件,酵素の精製・単離,諸性質の解明,各種光学活性アミノ酸合成への利用のための諸条件について検討を加え,これらの酵素が立体選択的加水分解反応の解媒として有効であることを認めた。
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