1991 Fiscal Year Annual Research Report
フッ素イオンの有機化合物への微生物的導入機構に関する研究
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02660116
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
江崎 信芳 京都大学, 化学研究所, 助教授 (50135597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平沢 敏子 京都大学, 化学研究所, 教務職員
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Keywords | モノフルオロ酢酸 / Streptomyces Cattleya / ヒドロキシピルビン酸 / フッ素イオン / CーF結合形成反応 / SーグリコリルCoA / モノフルオロエタノ-ル / モノフルオロスレオニン |
Research Abstract |
高濃度のフッ素イオンの存在下で生育する微生物を多数分離した。細菌の他、放線菌多数が分離された。培養液のFー19ーNMRを測定したところ、放線菌、Stereptomyces cattleyaがモノフルオロ酢酸のほか、モノフルオロエタノ-ル及びモノフルオロスレオニンを生成することが見いだされた。本菌を各種の条件下にて数回変異処理することによって高濃度のモノフルオロ酢酸を蓄積する変異株を得た。本変異株を用いて培養法を検討すると共に、再現性よく培地中にモノフルオロ酢酸を生成させる条件を確立した。本菌によるフッ素代謝をFー19ーNMRを用いて追跡したところ、最初にモノフルオロ酢酸が生成し、次いでモノフルオロエタノ-ルに転換され、さらにモノフルオロスレオニンに変換されることを見いだした。モノフルオロ酢酸の生合成経路を解明するために、Cー14で標識したグルコ-ス、アセチルCoA、Lーアスパラギン酸、コハク酸、ピルビン酸、セリン、ヒドロキシピルビン酸を本菌の培養液または休止菌体懸濁液に投与し、モノフルオロ酢酸への取り込み率を測定した。その結果、解糖系からグリセリン酸を経て、ヒドロキシピルビン酸を経由してモノフルオロ酢酸が生合成されることを明らかにした。特定標識ヒドロキシピルビン酸を用いた取り込み実験から、ヒドロキシピルビン酸の2位と3位の炭素がモノフルオロ酢酸に取り込まれること、ヒドロキシピルビン酸の水酸基がフッ素に置換されてモノフルオロ酢酸が生成することを明らかにした。ヒドロキシピルビン酸からモノフルオロ酢酸への変換反応はピルビン酸の酸化的脱炭酸反応に類似することから、Cー14標識グリコ-ル酸のチオエステル体、SーグリコリルーNーアセチルシステアミンを合成し、モノフルオロ酢酸への取り込みを調べたところ、Sーグリコリル-チオエステルを中間体として経由する可能性が高いことを明らかにした。
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[Publications] Takashi Tamura: "Microdetermination of Fluoroacetic Acid with oーPhenylenediamine" Journal of Chromatography.
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[Publications] Takashi Tamura: "Biosynthesisof Fluoroacetate in Streptomyces cattleya:Evidence of Hydroxypyruvic Acid as an Intermediate" Bioscience,Biotechnology and Biochemistry.